開業日は8月26日 企業参加可能な祝福事業も(芳賀・宇都宮LRT)

[2023/6/3 栃木版]

 芳賀・宇都宮LRT事業の開業日が、8月26日に決定した。2日に宇都宮市のライトキューブ宇都宮で、宇都宮市の佐藤栄一市長、芳賀町の大関一雄町長、宇都宮ライトレールの高井徹代表取締役社長が出席して記者発表が行われ、開業日を発表したほか開業当初の運行や開業記念事業についても明らかにした。

 宇都宮市は、東側地域の渋滞問題の解決に向けて、1993年に東西基幹公共交通としてLRT事業を構想し、JR宇都宮駅東側を先行して事業を進めてきた。2016年に軌道事業の特許を取得して、18年から整備工事を着工し、JR宇都宮駅東口から本田技術研究所北門付近までの延長14.6kmを整備してきた。当初は今年3月の開業を予定していたが、整備工事の遅れなどから開業時期を延期して再検討し、正式な開業日を8月26日に決定した。

 LRTの開業当初の運行については、所要時間を40分台後半と見込み、普通運行のみの運行とする。ピーク時は約8分間隔、オフピーク時は約12分間隔とし、運賃は対距離制で150円から400円としている

 記者発表で佐藤市長は「芳賀・宇都宮LRT事業は、路面電車のない地域で、国内初のLRTによる新規路線を整備したもの。LRTは地域に活力や豊かさを与え、持続的に発展する礎を築き、地方創生のモデルとなるよう、今後も事業に取り組んでいく。LRTはごみ処理施設で発電した再生可能エネルギーを利用した、ゼロカーボントランスポートを目指すもので、国内外から注目を集める一大事業となっている」と、開業に向けて決意を新たにした。

 大関町長も「LRTは鉄道のない芳賀町にとって、地域経済の振興や町民の利便性向上につながる、将来のまちづくりに必要なものとなることから、町への延伸を要望した。LRT開業により、まちづくりに大きな効果があることを確信しており、持続可能なまちづくりのモデルケースとなってほしい」とあいさつした。まちづくりに向けては、町の中心部に人を呼び込む、活性化につながる施策を重点的に進めるとしている。

 この記者会見を受け、福田富一県知事は「芳賀・宇都宮LRTはLRT事業として全国初の全線新設路線であり、全国がその開業に注目している。構想から開業までの丸30年の成果がやっと現れるもので非常に喜ばしく思っている。LRTの整備による地域の発展やまちづくりの推進、生活の質の向上などの様々な整備効果を県内全体に拡大し、持続可能な社会の実現につなげるとともに、事業の成果を分かりやすく市民県民に伝えていくよう努めていく」とコメントした。

 LRT開業に合わせて記念事業も行われ、8月26日の開業式・発車式などのほか、企業も対象とした祝福事業を実施する。

 祝福事業は、24年3月31日までに実施するイベント、キャンペーン、商品販売を対象としたもので、開業記念ロゴを付与することを条件とした。LRTの写真やイラストなどの素材が無償で活用でき、ポスターやのぼりなども利用できる。

 企業の取り組みについては、LRT事業の特設WebサイトやSNSなどで紹介される。祝福事業は、公式ホームページ(https://u-movenext.net/commemorative-opening/)から申し込むとしている。

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