都市公園を再整備 庁舎などの複合化で基本計画(五霞町補正)

[2023/6/8 茨城版]
 五霞町は1日、第2回町議会定例会に提出する6月補正予算案の概要を明らかにした。一般会計には2億3002万円を追加し、総額を56億9580万円とした。当初予算は町長選を踏まえて骨格予算編成であったため、今回は政策的経費を盛り込んだ肉付け予算とした。主なものでは、公園維持管理事業で都市公園再整備基本構想策定業務委託料を計上したほか、地域優良賃貸住宅整備事業の実施方針案の検討委託料、庁舎等複合化整備事業の基本計画策定委託料を盛り込んだ。

 公園維持管理事業には、都市公園再整備基本構想策定業務委託料に1361万円を計上した。再整備の対象は、童夢公園とごかみずべ公園、ごかみらい公園、利根川レクリエーション公園の4園となる。この事業は都市公園を有効活用し、町内外の人々が行きたくなる・人が集まる公園づくりを目指すとともに、適切な維持管理を実施して将来にわたって快適に利用できる公園管理の実現を図るもの。整備にあたっては、民間事業者のアイデアやマネジメントのノウハウを導入するパークPFIを活用した大規模な改修により、積極的な投資を行って魅力の向上を図ることを想定している。

 そこで本年度には民間活力導入の可能性調査を行う。具体的には、事業手法の検討(パークPFIなどの導入可能性調査)や既存4公園と既存インフラ施設との包括管理業務の検討、課題解決の検証を見据えたモニタリング指標の設定検討などを実施する。今後のスケジュールは、24年度にアドバイザリー調査、25年度には事業者を公募する。26年度以降に設計・建設に着手する見通しだ。

 地域優良賃貸住宅整備事業には、委託料900万円を予算化し、第1期として町内2カ所へ約35戸の住宅を整備する。本年度は実施方針案の検討や補助金の申請、事業者の選定などを行う見込み。24年度には事業へ着手するとともに入居希望者の募集、25年度に入居を開始する予定だ。

 この事業は、移住・定住対策としてPFIを活用した町有地における公営住宅の整備を行い、子育て世帯の転入促進を図るもの。快適な住まい環境を創出し、中堅所得者向けに賃貸住宅を供給して町の定住人口の増加や地域の活性化を推進する。22年度には民間資金等を活用した町営住宅導入可能性調査を実施。その結果に基づき、原宿台コミュニティセンター地区と川妻川岸前公園地区の2カ所に住宅を整備することを決定した。

 原宿台地区には集合住宅25戸、川妻地区には戸建て住宅10戸の建設を想定。原宿台コミュニティセンターは1988年に建設されたもので老朽化しているため、施設の建て替えも視野に入れて住宅を建設する。建設にあたっては、隣接する辰堂街区公園の敷地3184平方mも活用する考えだ。川妻地区では川岸前公園の敷地1048平方mを有効活用して住宅を建設することを予定する。

 庁舎等複合化整備事業には、基本計画策定業務委託料484万円を計上した。新庁舎の建設にあたって、具体的なビジョンを定めた基本計画を作成するための支援業務(事業スケジュールの検討、財政負担の算定、施設計画の立案、発注業務アドバイザリーなど)を委託する。

 現在は、福山コンサルタント茨城営業所(水戸市)で「新庁舎等複合施設整備および管理・運営における民間活力導入可能性調査」を実施しており、9月末までにまとめる見込み。この調査は、新庁舎等複合施設の整備と、整備後の管理・運営について民間活力の導入が有効かどうかの可能性を探るもの。事業手法にはPFI方式やBTO方式、リース方式などが考えられている。また、管理・運営については、複合施設だけでなく町内にある学校などの公共施設も含めて調査を行う予定で、方向性が決まり次第、本年度は民間活力導入方針の検討作業に入るとともに、基本計画策定検討会の開催、パブリックコメントの実施などを予定している。

 この事業は建設から60年が経過し、施設・設備ともに老朽化が進んでいる役場庁舎を建て替えるもので、建て替えにあたって新庁舎は中央公民館との複合化を図り、中央公民館敷地に建設することが基本構想で示されている。建設予定地の公民館敷地は小福田地内で、県道西関宿栗橋線に近く利便性は高いが、農業振興地域の農用地に指定されており、市街化調整区域となっている。敷地面積は約2万1200平方m。複合施設はRC造2階建て、延べ約3835平方mを想定している。

 既存庁舎は1963年にRC造2階建ての建物が建設され、その後、S造3階建ての議会棟を増築したほか、部分的な増築を繰り返しており、延べ面積は2168平方m。一方、中央公民館は79年に建設されたもので、15年には耐震補強工事を実施したが、バリアフリーなどの機能は満たしていない。建物の規模はRC造3階建て、延べ3027平方mとなる。

 このほか、道路維持管理事業で町道改良工事費1000万円を計上したほか、橋梁の修繕に向けて設計委託料121万円と補修工事費1918万円を盛り込んだ。橋梁の修繕は、山王山地内の農道に架かる「63橋」の補修工事を行う。また、町内には図書館がないため、オンラインの電子図書館整備事業に6159万円を計上し、図書不足に対応していく。

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