公民館北西の民有地に 防災集団移転 宮原地区移転候補地示す(那須烏山市)

[2023/6/13 栃木版]

 那須烏山市は、宮原地内で計画している防災集団移転に関し、移転候補地として宮原公民館北西の民有地を提示した。10日に宮原公民館で行われた小規模相談会で示されたもので、市からは川俣純子市長が出席したほか、都市建設課が説明を行った。市は今後も相談会などで地域住民への説明を続け、意見を参考にしながら検討を進めて移転候補地を決めるとしている。

 那須烏山市は、2019年に発生した東日本台風で被災した下境地区や宮原地区について、防災集団移転に向けた検討や地元との協議を進めている。下境地区では、近年ではおおむね10年に1回程度の頻度で住宅が浸水する被害が起きており、東日本台風では床上・床下浸水や道路冠水等が発生しているため、早急に防災・減災対策に取り組む必要がある。

 市は、宅地の測量調査を実施して高さを計測し、測量結果を基に洪水に対して危険性が高い区域一帯を災害危険区域に指定して、この区域に指定された区域で防災集団移転促進事業を進める。この事業は、一定の安全を確保できない住居について、全戸移転を行うものとなっている。

 移転先は▽災害への安全性を確保できる▽コミュニティを維持した集団移転が可能▽法規制等に沿って迅速で整備可能-を条件に検討した。高台で地区内では比較的安全な箇所であることから、市は宮原公民館北西の民有地を候補地に選定した。

 移転候補地では、アクセス道路の整備も構想している。候補地内で西から東に貫通してから南に曲がり、宮原公民館前を通って主要地方道常陸太田那須烏山線に接続する市道について、拡幅改良するとしている。

 市民からは、水害以外にも崖崩れなどを含めた安全対策の確保、生活道路の整備などが要望されている。

 相談会では、宮原地区の土地利用についての考えも提示されている。宮原地内で一級河川那珂川沿いの地区東や地区南については、土地利用を工夫するゾーンに設定した。住宅が水に浸かる危険性のあるエリアで、市は生活の場を維持するための取り組みなどを住民と検討するとしている。

 移転候補地を含む地区北西は、集落の維持を図るゾーンとした。危険性の低いエリアとなっており、土地利用を工夫するゾーンからの移転先確保などを検討するとしている。

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