公募手続きを開始 大洗公園沿岸部でパークPFI(県観光物産課)

[2023/6/22 茨城版]
 県観光物産課はこのほど、大洗公園におけるパークPFI制度を活用した公募を開始した。公募の対象となる区域は、大洗公園沿岸部の約3.2ha。同地に民間活力を活用して宿泊施設や飲食施設、物販施設などの収益施設を整備する。公募設置等計画は9月13日から15日まで受け付け、10月中旬にも事業者を選定する予定だ。その後、本年度内に基本協定や実施協定などを締結し、23年度末から着工し、24年夏ごろの供用開始を目指す。

 大洗公園は、園内にアクアワールド県大洗水族館をはじめ、松を中心とした植栽や飲食店、休憩棟、駐車場などを配置し、さまざまな利用者から利用されてきた。しかし、近年、施設の老朽化が進行していることに加え、年間の利用者数が季節によって差が大きく、ポテンシャルを活かしきれていない状況にあるという。そこで県では、大洗公園エリアの魅力向上に向け、同園の特性や景観、地域の資源を活かした再整備を行うことになった。

 整備手法にはパークPFI制度を活用する。公園の将来像としては、ユニバーサルデザインに配慮しながら、周遊性向上に寄与する歩行者動線の確保や、緑陰・休憩施設などの配置を目指す。また、隣接する水族館や神社等周辺施設との連続性に配慮した公園施設を配置することで、一体的な利用の創出も掲げている。さらに、公園の再整備にあたっては、県が策定した「ひたちなか大洗リゾート構想」を踏まえ、海の見える宿泊施設や飲食施設、物販施設の誘致を目指すと明記している。

 公募区域は大洗公園40.4haのうち、沿岸部の約3.2haとなる。提案にあたっては、公募区域[1][2]の両方または、いずれか希望する区域で提案することが求められる。

 事業内容としては、飲食・売店・宿泊などの収益施設(以下、公募対象公園施設)の設置に加えて、園内の園路や広場などの施設(以下、特定公園施設)の整備を行う。また、整備後は事業者が施設の管理運営を担うことになる。

 公募対象公園施設の提案条件としては、▽景観▽集客力▽日常づかいへの配慮▽ユニバーサルデザイン▽防災・防犯──などを求める。このうち、集客力では、大洗リゾート構想のコンセプトを踏まえ、ひたちなか大洗地区のリゾート化を通じた新たな顧客獲得や観光消費額向上、ブランド力向上に寄与する多彩で高質な機能を持つ施設の提案を期待すると明記している。建築面積は建ぺい率を原則2%以内とする。ただし、公募対象公園施設を整備する場合、既存施設と公募対象公園施設をあわせて10%が上乗せされる。

 特定公園施設では、公募区域内に現存する2基のトイレ改修を必須とし、一般利用者も利用可能な駐車場などが含まれる提案とすること。また、整備にあたっては、景観や周辺環境との調和に配慮するとともに、リゾート構想のコンセプトを踏まえた施設のデザインや素材などの景観整備を求めている。

 なお、留意事項として、同園が日本の白砂青松百選に選定されていることを指摘。そこで区域内の松は保存を原則とし、既存松林の景観・修景の維持を必須だと明記した。

 公募設置等計画認定の有効期間は原則、20年間に設定。なお、認定日は公募対象公園施設の設置管理許可日を開始日とする。

 応募資格は法人または法人のグループであること。また、応募法人のうち1社には、今回の事業において提案する公募対象公園施設の施設業態と同様の施設の運営実績を有していることを求めている。

 現地見学会・説明会への参加申込は7月7日までとし、説明会は12日に実施する。公募設置等計画の受付は9月13日から15日までとなる。書類審査とプレゼンテーションを行い、10月中旬にも事業者を選定。その後、基本協定などを締結する。24年2月ごろには着工し、24年夏ごろの供用開始を予定している。

 公募に対する問い合わせは、県観光物産課観光戦略担当(電話029-301-3617)まで。

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