交通結節機能を強化 まちづくりプラン懇談会 10月に計画素案を提示(宇都宮市)

[2023/7/27 栃木版]

 宇都宮市は24日、市役所で第4回(仮称)都心部まちづくりプラン策定懇談会(会長:大森亘暁宇都宮大学教授)を開催した。今回は、プランの中間とりまとめを踏まえた施策展開について協議し、市街地における自動車流入抑制、民間開発の促進、道路空間の再編、荷さばき環境の整備、交通結節機能の強化などの施策を挙げている。このあと懇話会は、10月予定の第5回会議で目標指標や計画素案を提示し、2024年1月予定の第6回会議で計画案を提示する。都心部まちづくりプランは、23年度末に策定するとしている。

 市はネットワーク型コンパクトシティ(NCC)形成を一層推進するため、LRTを基軸とした公共交通と一体となった魅力ある都心部の目指すまちの姿を描いた、都心部まちづくりビジョンを策定した。

 このビジョンの具現化に向けて、街なかの空間を人とさまざまな交通が共存し、移動しやすく、多様な都市活動を支えるまちの機能が充実し、人中心の居心地がよい空間に変えていく官民協働の都心部まちづくりを推進するため、(仮称)まちづくりプランを策定する。

 プランの対象エリアは、都心環状線内の大通り沿線地域、高次都市機能誘導地域、都心部地区市街地総合再生計画の区域で、JR宇都宮駅や東武宇都宮駅を含む中心市街地がメーンとなる。

 中間とりまとめによると、街路空間では民間団体の参画促進、緑化促進などに取り組む。都市機能は、防災や脱炭素などの施設高度化を官民協働で取り組むほか、木造建築物を災害に強い建物へ機能更新する。交通機能は、駐車場配置の適正化、EV車充電スポットの充実などに取り組む。

 中間とりまとめをさらに深掘りする内容として、まちのデザインは街なか空間を俯瞰的に見た目指す状態と、市民などの移動や身近な生活などの視点から望ましい状態を導出して、実効性の高い施策につなげる。

 街なかの回遊・滞在の拠点等は、改めて県庁周辺や市役所周辺を位置づけた。人の回遊・滞在で使う空間は、中間とりまとめで挙げた大通りや県庁前通りなどの路線に加え、JR宇都宮駅や東武宇都宮駅周辺などで頻繁に利用される可能性がある路線を追加している。

 プランに位置付ける施策は、空間形成や基盤整備に係る施策を中心とする。拠点形成や人中心のウォーカブルな空間形成に取り組むエリアは▽JR宇都宮駅西口周辺▽二荒山神社周辺▽東武宇都宮駅周辺▽桜通り十文字周辺▽県庁周辺(八幡山公園含む)▽市役所周辺-とした。

 路線は▽大通り(東西都心軸)▽シンボルロード(南北都心軸)▽オリオン通り、ユニオン通り、東武馬車道通り、日野町通り、バンバ通り、御橋通り、餃子通り、泉町通り(にぎわいの軸)▽東武馬車道通り(交通結節軸)▽バンバ通り、御橋通りなど(歴史軸)▽釜川プロムナード、田川沿い(自然資源)▽都心環状線など(自動車交通の骨格)-としている。

 東西都心軸(大通り)は、街路空間の滞在機能の強化、過度な自動車の流入抑制、滞在する人と多様な交通の共存を方針とする。施策は▽道路空間の再編▽民間開発の促進(優良建築物等整備事業などによる民間開発誘導、大規模建築物等に対する協議制度など、都市デザインを誘導する仕組みの運用)▽既存建物の景観形成に向けた支援▽緑の充実▽まちの機能の立地誘導▽環状線や幹線道路への誘導▽駐車場の立地抑制(駐車場適正化区域の設定、駐車場出入口の制限)▽荷さばき環境づくり(優良建築物等整備事業等による共同荷さばき場の確保など)▽交通結節機能の充実(シェアモビリティポートの整備など)-を挙げる。

 泉町通り(にぎわい軸)は、ナイトタイムコンテンツの創出と滞在機能の強化を方針とする。施策は▽荷さばき環境づくり▽公共的な空間を活用した新たな居場所づくり▽地域主体となった居心地がよい街路空間の維持管理-など。東武宇都宮駅周辺では、交通結節機能やまちの機能の強化を方針とし、東武宇都宮駅周辺地区のまちづくり推進を施策に挙げた。

 東武馬車道通り(にぎわい軸・交通結節軸)は、交通結節軸を形成する方針。施策は▽自動車交通の抑制(通過抑制の案内看板の設置、速度制限など)▽人中心の街路空間形成に向けた道路空間の再編▽既存建物の景観形成に向けた支援▽緑の充実▽まちの機能の立地誘導▽荷さばき環境づくり▽公共的な空間を活用した新たな居場所づくり▽地域主体となった居心地がよい街路空間の維持管理-としている。

 オリオン通りやユニオン通り(にぎわい軸)は、中心商店街の活性化につながる滞在機能の強化を方針とし、施策としては▽荷さばき環境づくり▽公共的な空間を活用した新たな居場所づくり▽地域主体となった居心地がよい街路空間の維持管理-を挙げている。

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