板戸大橋を4車線化 事業概要 田川調節池の工事着手(宇都宮土木)

[2023/8/1 栃木版]

 県宇都宮土木事務所は、2023年度の事業概要と実施予定箇所をまとめた。それによると、道路・街路事業が60カ所で55億6405万円、河川・砂防事業が9カ所で32億9758万円の、計69カ所に88億6163万円を計画。これに22年度補正分の24億1976万円をあわせ、112億8139万円を執行する。道路事業は、国道408号の真岡宇都宮バイパスと宇都宮高根沢バイパスの交差点3カ所で引き続き立体化工事を進め、宇都宮額田線板戸大橋の4車線化は本年度から工事に着手する。河川事業は、田川の改良復旧で2基の調節池の工事に着手。昨年度に事業化した砂防事業の上ノ山Aは、用地測量を実施する。=2面に事業実施予定箇所

 主な事業を見ると、道路事業では地域高規格道路として、国道408号の宇都宮高根沢バイパスと真岡宇都宮バイパスの整備を進めている。宇都宮高根沢バイパスは、24年度の開通に向けて野高谷立体の整備が進んでおり、現在は橋梁架設工事を施工中。宇都宮テクノ街道のテクノ立体は橋梁下部工まで進んでおり、本年度は切り回し工事を予定する。

 真岡宇都宮バイパスは国道123号と交差する清原立体で交通切り回し方法を現用地幅内で施工するよう見直し、上下線を分離して施工する。これまでに、上り線の下部工と上部工、擁壁工は発注済み。25年度にも橋梁の架設が完了したあとは舗装工事を実施し、交通を切り回して残る下り線の工事を実施していく。

 主要地方道宇都宮額田線は、宇都宮テクノ街道の交通渋滞対策として、現在暫定2車線となっている板戸大橋の4車線化を実施する。橋長は920mで、今回整備する下流側2車線分の幅員は11.0m。現在は調査や設計、下館河川事務所との協議などを行っており、本年度内にも下部工の一部や上部工を発注して工事に着手する。

 主要地方道藤原宇都宮線のバイパス整備は現在、用地取得と工事を進めている。本年度は引き続き用地取得を進め、まとまったところで工事も実施する。主要地方道宇都宮鹿沼線の4車線化は荒針工区まで完了しており、現在はそこから東北道の先まで飯田工区として事業を実施している。22年度から一部工事に着手しており、こちらも用地がまとまれば工事を進めていく。

 主要地方道宇都宮結城線の上蒲生工区は、1次改良で2車線分の車道と最低限の歩道は整備されているが、線形がS字に屈曲しているため線形を改良する。本年度は、用地測量を進めている。

 県道下岡本上三川線の道路改良は、上郷工区として本郷小・中学校付近の整備が完了し、引き続き宇都宮二宮線の交差点までを上郷南工区として整備する。本年度は、江川にかかる栄橋の橋梁工事(下部工)に着手した。新たな橋は、現橋の下流側に橋長28mの規模で計画し、下部工は場所打ち杭逆T式橋台、上部工は鋼板桁橋。本年度はA1側の橋台を発注し、A2は24年度の渇水期に施工して、25年度の開通を目指す。

 都計道3・2・101大通りと3・4・1号宇都宮栃木線の桜工区は、電線地中化を実施している。このあと電線管理者が通線や地上機器の設置を行い、事務所では舗装や防護柵の設置、および桜交差点南側の横断歩道橋の架け替えなどを予定する。また、大谷地区スマートICへのアクセス道路となる駒生I工区と連続する駒生II工区は、歩道整備や道路拡幅を実施しており、本年度は用地買収と一部歩道整備工事を実施する。

 河川事業は、田川の改良復旧で川田町と岩曽町の2カ所に調節池を整備するほか、河道を掘削して河積断面を確保する。引き続き河道掘削を実施するほか、本年度から調節池の整備にも着手する。岩曽調節池は掘削など工事7件を発注する予定で、川田調節池も1件の発注を見込んでいる。

 姿川は浸水被害の軽減に向けて、豆田川との合流付近に調節池を整備し、河道も拡幅する。調節池は本年度に完了させ、引き続き下流まで河川改修を進める計画だが、用地で公図混乱地域があることから、まずはその処理を進めていく。

 武名瀬川の改修は、下野市境から国道352号線下流までは概成しており、その上流も大規模特定河川事業で羽生田上蒲生線の南側までは概ね整備が進んでいる。本年度は、国道352号線の北側の町道に架かる境橋の架け替えで、切り回し道路と仮橋、および橋梁下部工を実施するほか、羽生田上蒲生線の南側に架け替えた8号町道橋の周辺に一部残る護岸工事を実施する。来年度以降は境橋の橋梁上部工や、残る護岸工事を下流側から進めていく。

 田川の堤防強化は、長時間の洪水に耐える粘り強い堤防を整備するため、堤防の腹付けや巻提を実施している。本年度は、上三川地内で残る二千年都橋の周辺と上簗橋の上下で工事を実施して、来年の5月までに事業を完了させる見通しとなっている。

 砂防事業の上ノ山Aは、宇都宮市上大曽町に位置する急傾斜地で、斜面下の集会場1カ所や人家79戸、要配慮者利用施設の児童施設「コアラハウス」などを保全する。アンカーネット工法を採用し、延長320m、法面工6571平方mで計画。6月に事業説明会を開催し、本年度は借地契約のための用地測量を実施する。

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