かわまちづくりを登録 名取川藤塚と宮城県 大郷町 交流拠点施設など整備へ(国交省)

[2023/8/11 宮城版]
 国土交通省は10日、新たに県内2カ所の「かわまちづくり」計画が登録されたことを公表した。1カ所は「名取川藤塚地区かわまちづくり」で、推進主体が仙台市。もう1カ所は「大郷町かわまちづくり」で、推進主体が大郷町や大郷町かわまちづくり協議会となる。今後、この2地区ではさまざなハード・ソフト対策が進められ、交流人口の拡大などを目指す。

 藤塚地区は対象河川が一級河川名取川水系名取川。ハード整備は、国交省仙台河川国道事務所が河川管理用通路や親水護岸、階段、坂路、側帯などの設置を進めるほか、仙台市が拠点施設、ベンチ、植栽、照明設備などを設ける。拠点施設は展望テラスやオープンカフェ、トイレ、サイクルラックなどを想定しており、民間事業者に整備してもらう考え。

 仙台河川国道事務所は来年度で設計に着手する予定。仙台市も来年度に民間事業者を募集する見込み。

 ソフト施策は、都市・地域再生等利用区域の指定や、舟運事業、カヌーや自転車を活用したツアーなどを計画している。

 仙台市は藤塚地区を含む沿岸部の防災集団移転跡地において、東日本大震災以前の営みや震災の記憶、復興の軌跡を伝え、にぎわいや新たな価値・活力を創るため、民間事業者や地域と協働で土地利用に取り組んでいる。

 かわまちづくりはその取り組みを充実させるもので、国交省が支援する。

 大郷町は対象河川が一級河川鳴瀬川水系吉田川。ハード整備は、国交省北上川下流河川事務所が河道掘削を行うとともに、低水護岸、河川管理用通路、高水敷基盤、階段護岸、スロープ、側帯(盛土)などを設ける。

 大郷町は多目的芝生広場、パークゴルフ場、バーベキューキャンプ広場、ドッグラン・水辺デッキ、花畑、駐車場、町道兼用道路、桜並木、交流拠点施設、東屋などを整備する。

 大郷町では吉田川沿川の中粕川地区で復興まちづくりに取り組んでいる。同地区は2019年の東日本台風で甚大な浸水被害を受けた。国交省でも吉田川の河川大規模災害関連事業として河道掘削や築堤を進めている。

 町はこの取り組みを推進するため、かわまちづくりによって河川改修事業や復興まちづくりにとどまらない地域活性化の拠点づくりに力を注ぐ。国交省はそれを支援する。

 ソフト施策は、ドローン物流実験・教習所の開設、各種イベントの誘致、農産物加工体験、中粕川マルシェ(朝市)の開催などを予定する。

 国交省は今後、仙台市と大郷町へのかわまちづくり登録証の伝達式を行う予定だ。

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