基本計画費を予算化 複合文化施設 本年度中にも建設地決定(石岡市補正)

[2023/8/30 茨城版]
 石岡市は市議会定例会に補正予算案などの議案を提案している。このうち、一般会計補正予算では、1億1453万円を追加し、総額を379億7637万円とした。主なものでは、複合文化施設の基本計画策定業務委託料に2623万円を計上。23-24年度の2カ年で基本計画をまとめる見通しとなる。なお、複合文化施設の建設場所と機能、事業手法については、本年度中に決定する見通しだ。

 この事業は、老朽化を受けて閉館した市民会館の移転改築を行うもの。複合文化施設の基本計画は昨年度に策定作業を進めていたが、概算事業費や事業手法、建設場所などで議会から疑問視する意見が出たことを受けて、基本計画を取り下げた。その後、ゼロベースで再検討するために、基本構想に着手。本年7月に基本構想が策定したことを受けて、再度、基本計画の策定に取り組むこととなった。

 基本構想によると、新施設にはホール機能を盛り込むことを明記。その際には、近隣自治体の類似施設と差別化し、市のシンボル感や存在感、個性を持たせることで、県南地域の中でも特色あるホールを目指していく。

 ホールの客席数については、旧施設の規模である968席を踏まえつつ、旧施設の利用状況や新施設で想定する実施事業などを考慮しながら、適正な規模を検討するとした。なお、実施事業では、鑑賞型事業や普及・啓発・育成型事業、参加型事業などの内容を議論していくことになっている。

 ホール機能以外の施設機能については、ホール機能との相乗効果や、利用者の利便性向上などを踏まえて検討するとした。なお、施設機能と規模は、基本計画の中で決定していく。

 建設候補地は、前回の計画から変更はなく、いしおかイベント広場(約2万7500平方m)と鹿島鉄道跡地(約7700平方m)、市営駅東駐車場(約6900平方m)の中から決定することになる。このうち、いしおかイベント広場では埋蔵文化財の試掘調査、鹿島鉄道跡地では地盤改良工事などを行う必要があるという。そこで市は、各候補地の課題を踏まえながら、基本計画の中で最終決定を行う方向性を示した。

 事業手法については、前回のPFI方式の採用を見直し、公設公営を含めて再度、検討を行う。その際には、財政負担の軽減を図り、効果的かつ効率的に施設整備を進めていく必要があると指摘。民間活力の活用やコスト削減、事業期間内での施設完成などの視点から総合的に検討していくとした。

 新施設の完成時期については、交付金などの関係から、遅くとも30年度中の完成を目標に掲げた。ただし、市では市民からの早期完成という要望に対応するため、早期の完成に向けて迅速に取り組む考えだという。

 さとのひろば整備事業では、遊具等設置工事費に1431万円を計上。この事業は八郷総合支所複合施設に隣接する広場「さとのひろば」にインクルーシブ遊具を設置するもの。具体的には、サポート付きブランコやテーブル式砂場、休憩スペースを予定している。

 また、城南スポーツ交流施設管理費では、改修工事費に1318万円を予算化した。この工事は、施設の老朽化を受けて、グラウンド照明設備の更新を実施するものとなっている。

 このほか、中学校施設環境改善事業費の武道場空調整備工事費964万円や、青少年ホーム施設維持管理費の施設修繕工事費101万円、石岡運動公園維持管理費の施設修繕工事費143万円などを盛り込んだ。

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