巴波川捷水路が着工に 事業概要 131カ所に事業費99億円(栃木土木)

[2023/8/31 栃木版]

 県栃木土木事務所の2023年度の事業概要によると、本年度は事業箇所131カ所に99億7770万円を計画する。内訳は、道路・街路事業が42億8600万円、河川・砂防事業が56億9160万円。主な事業は、巴波川の地下捷水路本体工事が近く本格着工するほか、永野川の改良復旧も千部橋の下部工を発注する。道路は、藤岡乙女線の乙女大橋の架け替えで本年度から下部工に着手し、都計道おもちゃのまち下古山線は用地買収を推進。新規事業は、小山環状線の粟宮アンダーで用地調査や用地買収のほか、JRと協議するための予備設計を策定する。=2面に主要事業箇所

粟宮アンダーで予備設計策定

 主要事業を見ると、道路事業は都計道号小山栃木都賀線の大宮工区と主要地方道栃木小山線の卒島II工区でそれぞれ工事と用地買収を継続するほか、その間の栃木環状線今泉町工区も本年度は用地調査や用地買収のほか、調節池の詳細設計を策定する。

 主要地方道羽生田上蒲生線の上古山工区は、下野スマートIC設置のため北関東道両側の側道を拡幅し、料金所設置による影響部の延長約580mを付け替える。昨年度までに概ね用地取得が完了したことから本年度は工事を実施し、県道の付け替え工事が完了した後はNEXCOでスマートIC本体の工事に入る見通し。同じく羽生田上蒲生線の関沢橋は、本年度は用地買収や調節池の設計を進めていく。

 都計道おもちゃのまち下古山線は、若草町工区で4車線化整備を実施しており、隣接するおもちゃのまち工区でも現道拡幅および電線地中化を実施する。本年度はおもちゃのまち工区で用地買収を進め、若草町工区は同じく用地買収のほか一部工事も予定。若草町工区ではあわせて、流末排水の工事も実施していく。

 県道境間々田線の平和・潤島工区は、小山市と野木町のネットワーク形成と、国道4号など周辺道路の渋滞緩和を目的に整備している。延長は2400m、幅員は車道と歩道、自転車通行帯など2車線分計15mで計画。野木町側は用地買収が完了して現在は工事を進めており、小山市側は引き続き用地買収を進める。

 主要地方道栃木二宮線の大宮工区は、狭あいで右折レーンも無く交通渋滞が発生していたため、現道の南側にバイパスを整備している。全体延長3600mを3期に分け、西側の1期工区は広域農道まで約1300mが供用済み。現在は県道小山都賀線までの2期工区を整備中で、本年度は用地調査や用地買収を進めていく。

 主要地方道藤岡乙女線の乙女大橋は、1955年度の架設で老朽化が進み、幅員も5.5mと狭いため下流側に架け替える。本年度は橋脚3カ所の下部工に着手するほか、付け替える道路の用地の調査を実施して、一部買収にも着手する。

 県道結城石橋線の花田工区は、県土地開発公社で造成中のしもつけ産業団地に関連し、造成地東側に接する県道を延長2000mにわたり幅員12.5mまで拡幅して片側に歩道を設置する。まずは産業団地に接する部分を先行し、本年度は用地測量と物件調査を実施するとともに、公社から一部取得も予定する。

 新規事業は、主要地方道小山環状線の粟宮アンダーに着手し、本年度は用地調査や用地買収、およびJRと協議するための予備設計を策定する。JR宇都宮線の踏切部を立体交差化(アンダー形式)するもので、延長は760m、幅員は車道2車線と両側歩道など計17.5mで計画。工事の際には、迂回路として仮設の踏切も設ける計画だ。

 県道福良羽川線の福良工区は、県道結城二宮線との交差点部分への歩道整備に向けて、本年度は用地の調査と買収を進める。事業区間は延長500mで、幅員12.0mに拡幅する。県道東野田古河線の矢畑工区は、茨城県との県境部分で、北側の栃木県側を先行して道路を拡幅し歩道を整備する。延長は800mで、本年度は用地調査を用地買収を実施する。

 主要地方道岩舟小山線の西水代工区は、大平南小学校の通学路にもなっているが、蛭沼川連線との交差点の西側の歩道が未整備となっていることから、延長380m区間の歩道整備を実施する。両側に2.5mの歩道を設置する計画で、本年度は用地買収を予定する。

 河川事業は、巴波川の河川激甚災害対策特別緊急事業で地下捷水路(トンネル)の本体工事が奥村・岩田地崎特定JVに発注となり、これまで準備工を進めてきた。来月7日には起工式を開催し、立坑工事など本格的な地下捷水路工事が始まる。また、一部流出施設の立坑部分に未買収地があることから、用地取得も実施して取得後に到達側の立坑工事を別途発注する。

 永野川は、栃木市大平町から皆川城内町の区間で改良復旧事業に取り組んでおり、JR両毛線橋梁の前後で一部用地が未買収となっているほかは、工事が着工か完了している。また、橋や堰など構造物の改築工事が残っており、本年度は発注済みの両明橋と諏訪橋の工事を実施するほか、千部橋の下部工も本年度に発注を予定。また、榎本堰の改築も工事を実施している。

 杣井木川の巴波川と永野川が合流する押切地区では、内水対策のため排水機場の増強と調節池整備に取り組んでいる。排水機場の増強は昨年度で完了し、引き続き本年度は調節池の詳細設計をまとめるとともに、用地調査を実施する。押切地区では小山市でも、輪中提の整備や防災集団移転事業などを計画している。

 思川は、国道50号の南側から直轄管理区間までの延長約3000mで河道の断面を確保するための掘削を進めている。現在は網戸大橋や石ノ上橋の周辺で河道掘削を実施しており、本年度も調査設計や工事を予定。あわせて、支障木の伐採なども行う。

 砂防事業は、西耕地一号沢で地盤改良工事が近く完了することから、本年度は砂防堰堤の本体工事に着手する。延長は52.9mで、保全施設は主要地方道栃木佐野線や人家、公民館などとなる。

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