導水路 早急に検討を 大規模浸水被害で市議会が意見書(千葉県茂原市)

[2023/9/23 千葉版]
 千葉県茂原市議会は22日、二級河川一宮川水系河川の整備促進に関する意見書を国や県に送付した。台風13号の大雨により、茂原市内で大規模な浸水被害を受けたことから、中流域から太平洋まで伸びる新たな導水路の整備を早急に検討するよう強く求めている。

 意見書は市議会9月定例会で発議され、21日に採択された。金坂道人議長は22日付けで意見書を斉藤鉄夫国土交通相や鈴木俊一財務相、熊谷俊人知事に送付している。

 9月8日の台風13号の接近に伴う大雨は、1時間最大雨量78mm、12時間最大雨量371mm、降り始めからの総雨量405mmという観測史上最大の豪雨となり、市民生活に甚大な悪影響を及ぼす5度目の大規模浸水被害となった。

 意見書では、さらなる流域の安全安心を確保するため、「一宮川水系河川整備計画」や「一宮水系流域治水プロジェクト」に基づく治水事業が、スピード感を持ち強力に推進することが急務と指摘。

 一宮川水系の中流域は、広域地盤沈下の影響や一宮川本川に支川が集まる地理的要因による浸水リスクがあるため、中流域から太平洋まで伸びる新たな導水路(河川)の整備を早急に検討する必要があると強調している。

 同市では1989年8月台風12号、96年9月台風17号、2013年10月台風26号、19年10月25日の大雨により、甚大な浸水被害を受けた。

 1989年と96年の水害では「河川激甚災害対策特別緊急事業」を実施。2013年の台風26号では「100ミリ安心プラン」が登録され、一宮川の改修や堤防のかさ上げ、調節池の増設が行われた。

 19年10月25日の大雨では、市内の一宮川水系の数箇所で河川が氾濫し、3人の尊い命が犠牲となった。浸水区域は約1200■haに及び、約4000戸の住居などが床上・床下浸水の被害を受けた。

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