12月にも素案を協議 都市交通戦略の中間見直しで(宇都宮市)

[2023/10/26 栃木版]

 宇都宮市は23日、ライトキューブ宇都宮で2023年度第2回都市交通戦略推進懇話会(会長:森本章倫早稲田大学教授)を開催した。今回の会議では、第2次都市交通戦略の中間見直しについて協議し、今後の課題として交通施設やネットワークの整備、都心部でのウォーカブルなまちづくり、バリアフリー化推進、安全・安心な交通環境の整備、交通GXの活用による脱炭素推進などを挙げた。懇話会は今後、12月18日の第3回会議で中間見直しの素案について協議し、パブリックコメントを経て24年2月にとりまとめを行う。 宇都宮市は23日、ライトキューブ宇都宮で2023年度第2回都市交通戦略推進懇話会(会長:森本章倫早稲田大学教授)を開催した。今回の会議では、第2次都市交通戦略の中間見直しについて協議し、今後の課題として交通施設やネットワークの整備、都心部でのウォーカブルなまちづくり、バリアフリー化推進、安全・安心な交通環境の整備、交通GXの活用による脱炭素推進などを挙げた。懇話会は今後、12月18日の第3回会議で中間見直しの素案について協議し、パブリックコメントを経て24年2月にとりまとめを行う。

 第2次宇都宮都市交通戦略の期間は19~28年度の10年間となっており、計画策定から5年経過して市の交通を取り巻く環境は大きく変化していることから、ネットワーク型コンパクトシティ(NCC)を構築してまちづくりと一体となった交通施策を戦略的に推進していけるよう、中間見直しに着手する。

 これまでの5年間では、道路ネットワークの充実や交通結節点の整備などに重点的に取り組んできたが、今後は移動を通して誰もが豊かで便利に安心して暮らせるような内容とする。

 市の現状を見ると、NCC形成状況で道路ネットワークは都市の骨格を形成する3環状12放射道路の整備や、(仮称)大谷スマートICの整備に向けた事業を進めている。自転車ネットワークは、市道で30年度までに整備する優先整備路線として54路線を選定し、整備を進めている。自転車走行空間は22年度時点で延長65.7kmを整備しており、30年度までに延長123.3kmを整備することを目指す。

 時代潮流の変化と現状では、産業通り全線開通や宇都宮北道路高架化など道路整備が進ちょくしている一方で、中心市街地ではコインパーキングや月極駐車場などの低未利用地が虫食い状に広がって稼働状況が低く、低未利用地の増加で町の魅力や賑わいの低下が懸念される。

 脱炭素に向けては、CO2排出量が減少傾向にあるものの自動車への依存度が高いことから、依然として他の中核都市を上回っている。市はカーボンニュートラル実現へ、30年度までに13年度比で温室効果ガスを50%削減する目標を設定している。

 国はAI、IoT、自動運転などのデジタル技術で生産性向上や新事業モデル創出等を実現させるDXを推進させるとしており、交通分野でも交通DXの推進を位置付けている。市でも、バスロケーションシステムを活用したバス運行情報の提供や、自動運転実証実験などを行っている。LRT沿線では、公共や民間施設等に太陽光発電や蓄電池の導入などを進めていく。

 戦略見直しに向けて、都市空間・交通では▽交通施設やネットワークの整備に加え、市民活動を支える実効的な交通サービスの充実▽都心部におけるウォーカブルなまちづくり-などを課題とし、取り組みテーマを「多様な都市通勤・市民生活を支える交通ネットワークの実現」とした。

 健康・福祉・医療では、バリアフリー化の推進などを課題とし、取り組みテーマを「市民一人一人の健康づくりを支える移動環境の実現」としている。安心・協働・共生では、安全・安心な交通環境の整備などを課題とし、取り組みテーマを「みんなの協力のもとで安心して外出ができる移動環境の実現」とした。

 産業・環境では、交通GXの活用による脱炭素の推進などを課題とし、取り組みテーマを「環境にやさしく、働きやすい社会を支える移動環境の実現」としている。

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