下水汚泥の肥料利用へ リン回収施設の新設検討(千葉市)

[2023/11/1 千葉版]
 千葉市は、下水汚泥を肥料として利用する取り組みの検討に乗り出す。水環境の改善や資源の有効活用が見込める「リン回収」手法を導入し、南部浄化センターに施設を新設する方針を明らかにした。今後、民間活力の導入を視野に入れながら、事業スキームなどの検討を本格化する。

 10月31日に開かれた下水道事業経営委員会(委員長・森田弘昭日本大学教授)で市下水道経営課が報告した。肥料の原料となるリン安(リン酸アンモニウム)は全量を輸入に依存しているが、ウクライナ情勢や穀物需要の増加などの影響により、世界的にリン価格が高騰している。

 国土交通省が本年3月に通知した「発生汚泥等の処理に関する基本的考え方」では、下水汚泥の肥料利用を最優先し、処理過程でリン回収などを検討していく方向性が盛り込まれている。

 下水汚泥の肥料利用では、発酵させてから堆肥化する「コンポスト化」と、リンを取り出す「リン回収」の2つの手法がある。

 同市では、水環境の改善や資源の有効活用などの効果が見込める「リン回収」手法の導入を検討している。南部浄化センター内に施設を新設し、焼却・固形燃料化前の下水汚泥からリンを取り出して肥料の原料として有効利用する計画だ。安定的な流通経路の構築が必要となるため、先進事例として、神戸市や福岡市の取り組みを紹介した。

 市建設局の橋本欣哉次長は「この事業を進めていくためには、再生リンの品質保証と流通経路の構築が最も重要」と述べ、国土交通省の支援を受けながら、検討を本格化していく考えを示した。

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