8700平方m校舎新設で設計プロポ 聴覚支援校建て替え(宮城県土木部)

[2023/11/7 宮城版]
 学校施設が老朽化している聴覚支援学校(仙台市太白区)の改築に向けて、宮城県土木部は11月6日に「聴覚支援学校校舎等改築設計公募型プロポーザル」の手続きを開始した。宮城県の入札参加資格のうち「建築設計A等級」に登録している一級建築士事務所を対象に、参加申請書を11月30日まで受け付ける。同プロポーザルで特定する事業者には、校舎や体育館、寄宿舎など計8700平方m規模の新築設計と、既存校舎などの解体設計を任せる。工事費は58億円程度を見込んでいる。

 特定した事業者に委託するのは「聴覚支援学校校舎等改築設計業務委託」。改築事業は教育庁から土木部に移管されている。

 プロポーザルの参加者は、宮城県内に本社または営業所を構えている単体企業とする。参加者は▽管理技術者▽総合▽構造▽電気▽機械──の各分野をそれぞれ担当する技術者で設計チームを組まなければならない。協力会社の技術者を加えても構わないが、管理技術者には一級建築士の資格を持つ自社の技術者を据えなければならない。

委託候補者の特定は2段階で行う。

 プロポーザルの参加申込書を11月30日まで持参または郵送で受け付けた後、1次審査では参加申込書に基づいて技術者らの資格要件などを審査する。評価点の高い順に上位5社を「プロポーザル提案者」として絞り込み、12月11日に選定結果を発表する。同提案者には12月11日~2024年1月19日までに、技術提案書を提出してもらう。

 2次審査を来年1月31日に開き、技術提案書に基づくヒアリングなどを実施する。技術提案を求める評価テーマには[1]周辺の住環境と施設の機能性を考慮した建築計画[2]学校の特性を考慮したゾーニングおよび動線計画の考え方[3]既存施設を利用しながら建て替えを行うための配慮事項と環境負荷低減の考え方──の3項目を挙げている。

 宮城県は2次審査を経て委託候補者を特定し、来年2月2日に公表する予定。候補者とは協議を行い、6月下旬に契約する。業務の履行期間は26年3月6日まで。

 太白区八本松2丁目にある聴覚支援学校(敷地面積2万7936平方m)は、校舎などが老朽化している上、ユニバーサルデザインを考慮した学校施設に作り替える必要があることから、既存の敷地を活用して校舎や体育館、寄宿舎などを大規模に建て替える。

 現時点で想定している新施設の延べ面積は、新校舎が約5800平方m、新体育館が約880平方m、新寄宿舎が約1640平方m、車庫が約40平方m。新校舎には普通教室(約1000平方m)をはじめ特別教室(約1600平方m)、管理諸室(約1800平方m)などを設ける。新グラウンドの整備に関する設計も行う。

 一方、解体設計では現校舎(約7570平方m)と現体育館(約880平方m)、現寄宿舎(約1840平方m)、各実習棟(約1720平方m)などをまとめる。

 本年度中に設計業務の委託者を特定し、24年度から2カ年で設計を行う。24年度は敷地の測量、地質調査などの業務も委託する考え。

 新施設の建設については、先に新校舎と新寄宿舎に着手する。26年度前半に発注手続きを行い、建設工事の受注者を決める。現時点ではWTO対象の入札が見込まれる。受注者には26年度後半に着工してもらい、28年度後半の完成を見込む。供用開始は29年度になりそうだ。

 新校舎などが完成後、29年度には既存校舎を解体する。翌30年度には新体育館と新グラウンドを整備し、完成後の翌31年度に現体育館を解体する。

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