林道4路線を開設 鬼怒川森林計画樹立へ案縦覧(関東森林管理局)

[2023/11/11 栃木版]

 関東森林管理局は、鬼怒川国有林の森林計画の樹立に向けて、森林計画書(案)の縦覧を開始した。計画期間は2024年4月1日から34年3月31日までの10カ年で、計画量は伐採立木材積が87万5000立方m(うち、前半5年で42万6000立方m)、人工造林が673.47ha(うち前半5年で346.54ha)とする。林道は、日光市の原向・古峰原(塩の沢)など4路線、総延長8000mを開設し、拡張は3市町の計57路線、総延長4605mで走行車両の大型化に対応できるよう改良する。治山事業は、11地区で渓間工や山腹工などを計画する。

 鬼怒川森林計画区は宇都宮市、日光市、真岡市、上三川町、益子町、市貝町、芳賀町、高根沢町の3市5町を包括し、総面積は23万8000haで県面積の37%を占めている。森林面積は14万2000haで、うち国有林は58%の8万2000haとなっている。

 計画区内の国有林の人工林の面積は約1万6000haで森林面積の21%を占め、樹種別にはカラマツ38%、ヒノキ19%、スギ18%、アカマツ5%、その他20%。天然林の面積は約6万haで森林面積の79%を占め、XI齢級以上(51年生~)の林分が96%以上の構成となっている。

 前計画の前半5か年分(19年度~23年度)における当計画区での主な計画と実行結果を見ると、主伐は14万1000立方mの計画に対し8万7371立方mと約62%の実行にとどまり、間伐は27万5000立方mの計画に対し18万1645立方mと約66%にとどまった。

 人工造林の更新は主伐の実行量が計画量を下回ったため、408haの計画に対し210ha。天然更新は前前計画期間中に伐採した箇所の天然更新が完了したことから、1haの計画に対し4haと、計画量を上回った。

 林道の開設は2万5260mの計画に対し2160m、拡張は57mに対し6m。伐採計画と連動して計画的な開設または拡張(改良)に努めてきたが、既設の林道等を利用することが可能であったため、開設、拡張ともに計画量を下回った。

 保安施設や保安林の整備は、62地区の計画に対し11地区となった。保安施設は災害の復旧を目的に渓間工や山腹工を計画したが、復旧箇所の優先度を考慮した結果、計画を下回った。保安林も、森林の生育状況などを考慮して実行を見合わせている。

 新たな計画では、伐採立木材積の計画量を87万5000立方m(主伐23万7000立方m、間伐63万7000立方m)とし、うち前半5年で42万6000立方m(主伐13万立方m、間伐29万5000立方m)とする。間伐面積は1万0244haで、うち前半5年で4618haを計画。人工造林は673.47haで、うち前半5年で346.54haを計画する。

 林道については、日光市の原向・古峰原(塩の沢、延長2600m)と桂沢(同1100m)、焼山(同2600m)、相生(同1700m)の4路線、合計8000mを開設する。このうち前半5年では、原向・古峰原と桂沢で事業を実施する。

 拡張は、日光市で芹沢(延長450m)やアテラ沢(同350m)、川俣檜枝岐線(同310m)など計49路線、総延長4345mを改良する。また、宇都宮市では上篠井(同50m)など計4路線90m、益子町では谷井田(同60m)など計4路線170mの改良を計画。合計57路線の総延長4605mを、いずれも前半5年で実施する。

 保安林として管理すべき森林の計画期末面積は、面積8万0259.42ha。種類別では水源涵養のための保安林が5万7929.99ha、災害防備のための保安林が1万8510.05ha、保健・風致の保存等のための保安林が8319.38haとなる。

 実施すべき治山事業の数量は、いずれも日光市で施行地区数が11地区。主な工種は渓間工、山腹工、危険木処理、資材運搬路補修で、うち前半5年で21地区を実施する。

 関東森林管理局では、この計画の樹立にあたり広く意見を聞いて計画に反映させるため、計画案を縦覧している。縦覧場所は関東森林管理局(群馬県前橋市)や日光森林管理署(日光市)で、期間は12月5日まで。計画案に意見のある人は、理由を付した文書を郵送、Eメール、意見募集フォームのいずれかで関東森林管理局長(関東森林管理局計画保全部計画課扱い)あてに意見を提出できる。

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