公共事業費に311億円 強靱化事業の速やかな執行へ(栃木県12月補正案)

[2023/12/9 栃木版]

 県は8日、2023年度12月一般会計補正予算案(第4号)の概要を公表した。国の経済対策分として409億4703万円を追加して、補正後の総額を1兆0397億0903万円とする。国の「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に呼応するもので、このうち国民の安全・安心の確保に対しては公共事業費311億2707万円を追加。道路に145億6100万円、河川・砂防に116億8501万円、都市計画に13億1700万円、治山に3億5600万円など配分し、防災・減災、国土強靱化を推進していく。この補正予算案はこの後、開会中の県議会第398回通常会議に追加提案する。

 今回の補正予算案は、物価高騰による家計の負担軽減をはじめとして、農業者や交通事業者、医療機関・社会福祉施設などに対する支援を引き続き行うとともに、農林業の競争力強化や防災・減災、国土強靱化など公共事業の速やかな執行を図るなど、当面する緊要な課題に適切に対処することとして編成した。

 主な事業を見ると、公共事業費は環境森林部7億1223万円、農政部28億5183万円、県土整備部275億6301万円の、計311億2707万円を追加した。環境森林部は、このうち治山に3億5600万円、森林整備に2億9813万円、自然公園等に4300万円、その他に1509万円を配分する。

 農政部の公共事業費は、補正額全額を土地改良に充当する。県土整備部は道路に145億6100万円、河川・砂防に116億8501万円、都市計画に13億1700万円を配分し、同部の公共事業費は補正前の543億0350万円から818億6651万円に大幅に増額される。

 林業・木材産業体質強化事業費には、県が策定した「供給力・体質強化計画」に基づく川上から川下までの生産性向上に要する経費として、18億0071万円を予算化した。このうち、林業・木材産業国際競争力強化総合対策事業費には間伐材生産力強化事業費3億6752万円、路網整備事業費9500万円、高性能林業機械整備事業費1151万円の計4億7404万円を配分する。

 また、燃油・資材の森林由来資源への転換等対策事業費には木質バイオマスエネルギー転換促進施設整備事業費4億9442万円と、特用林産生産資材高騰対策事業費2600万円の計5億2042万円を予算化。花粉の少ない森林への転換促進緊急総合対策事業費には、路網整備事業費1億1600万円と高性能林業機械整備事業費915万円、木材加工流通施設等整備事業費6億8110万円のあわせて8億0625万円を配分する。

 スマート林業推進事業費には、スマート林業の推進に要する経費として9140万円を増額し、補正後の額を2億2832万円とする。事業の内容は、航空レーザ計測などリモートセンシング技術を活用し、森林資源や地形などの情報基盤整備を実施する。

 競争力強化生産総合対策費では、共同利用施設の整備等に対する助成で3億4480万円を追加する。内訳は、産地生産基盤パワーアップ事業費が2億3300万円、園芸用ハウス事業継続強化対策事業費が2160万円、農業支援サービス事業緊急拡大支援事業費が9020万円。畜産環境対策総合支援事業費では、家畜ふん堆肥の高品質化等に必要な堆肥発酵処理施設の整備等に助成するため、7億1358万円を盛り込んだ。

 障害者福祉施設整備助成費には2億2683万円を追加し、補正後の総額を8億6507万円とする。施設整備への助成で補助率は4分の3(国2分の1、県4分の1)とし、共同生活援助事業所に7140万円、放課後等デイサービス事業所に5718万円、非常用自家発電設備に9825万円を振り分ける。

 幼稚園等性被害防止対策支援事業費では、幼稚園や児童養護施設等での性被害防止対策に係る設備などの導入を助成するため、幼稚園230万円、児童養護施設等3210万円の計3440万円を盛り込んだ。

 このほか、エネルギー価格など物価高騰による家計の負担軽減をはじめ、農業者や交通事業者、医療機関・社会福祉施設などに対する支援として、物価高克服分にあわせて66億0462万円を予算化した。なお企業会計でも、指定管理者支援金の増に伴い施設管理事業費に250万円を増額補正し、収益的支出を174億1250万円としている。

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