拡幅と電共に着手 山手通り屋敷工区 市道区間と一連で整備(栃木県道路整備課)

[2023/12/15 栃木版]

 県道路整備課は、2024年度から那須烏山都市計画道路3・5・2号山手通り(県道宇都宮那須烏山線)の屋敷工区で、現道拡幅・電線地中化事業に着手する。現状の幅員9.2mを15mにまで拡幅し、両側歩道とあわせて自転車道を設けるとともに、電線共同溝を設置して電線類を地中化する事業で、事業箇所は那須烏山市中央一丁目から中央三丁目までの延長約600m。事業期間は30年度までの7年間で、総事業費は約11億円を見込む。なおこの事業とあわせて、那須烏山市役所(烏山庁舎)前の市道区間約500mについても一連で整備することで、安全で円滑な通行の確保と都市防災機能の強化を図る。

 都計道3・5・2号山手通りは、那須烏山市野上地区の国道294号を起点に滝田地区へ至る、那須烏山市を南北に縦貫する都市の骨格を形成する路線。沿線には市役所や烏山高校、那須南病院が立地するとともに、ユネスコ無形文化遺産の山あげ祭りの一部ルートになるなど、同市の教育・医療・文化を支える路線となっている。

 今回事業化する屋敷工区は、中学校や高校への通学で多く利用されている。道路の東側には歩道が設置されているものの幅が狭く、電柱も立ち並んで歩行者・自転車の通行の支障となっており、一部の歩行者が車道や路肩にはみ出て通行するなど危険な状況になっている。

 また、この区間は緊急輸送道路に指定されているが、災害発生時には電柱の倒壊で交通障害などが発生する恐れもある。この区間に隣接する那須烏山市道区間も同様の課題を抱えていることから、地元から一連での整備を求められていた。

 このため県は、この事業と隣接する市道区間とを一連で現道拡幅し歩道を設置することで、安全で円滑な通行空間を確保するとともに、電線類を地中化することで都市防災機能の強化を図る。本年度は、ピーシーレールウェイコンサルタント(宇都宮市)に委託して、電線共同溝予備設計などをまとめていた。

 計画によると、現況の幅員は車道2車線合計6mと歩道1.4mなどあわせて9.2m。これを都計道山手通りと整合させて、車道2車線合計6mと歩道両側に各2.8m、路肩各0.5mとするほか、烏山高校への通学自転車と歩行者の通行空間を分離して、東側に双方向通行が可能な自転車道2.4mを設け、あわせて15.0mまで拡幅する。

 事業期間は、24年度から30年度までの7年間で、このうち測量設計を24・25年度の2カ年で、用地取得を25年度から27年度までの3カ年で実施。工事は、26年度から30年度までの5カ年を予定する。

 事業費は、測量設計費が約1億円、用地補償費が約4億円、工事費が約6億円の計11億円を見込み、国費で55%、県費で45%を負担する。

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