幹線排水路を改修 生井地区 来年度から事業費14億円で(栃木県農地整備課)

[2023/12/21 栃木版]

 県農地整備課は2024年度から、県営水利施設整備事業(農地集積促進型)の生井地区に着手する。国営栃木南部土地改良事業の関連事業として、与良川統合排水機場に接続する東部幹線水路が大雨時に湛水することから、これを解消するため改修する。あわせて、排水路の維持管理の効率化を図るため、幅員3.0mの管理用道路を設置する内容。事業は29年度までの6年間を予定し、総事業費は14億7000万円を見込んでいる。

国営栃木南部地区の関連事業

 東部幹線排水路は県南部の思川右岸に位置し、小山市と野木町にまたがる水田地帯の排水路となる。この排水路は国営栃木南部地区の付帯施設として位置付けられており、国営事業とあわせて整備することで、湛水防除効果を発揮する路線となる。

 この地区は大雨時に排水路から水があふれ、農地の多くが湛水するため、作付けする作物が限定されて安定的な農業経営や農地の集積・集約化、効率的な農業の展開に支障を来たしている。また管理道路が無く、草刈りなどの維持管理にも多くの労力を要していて、地域農業の発展阻害要因となっている。

 農家の減少や高齢化が進行している中で、この地域の農業の持続的な発展に向けて、県は農業水利施設を早急に整備することで大雨時の湛水被害を軽減するほか、管理用道路を設置することで維持管理の効率化を図る。あわせて、湛水被害が軽減された受益農地で担い手への農地の集積・集約化を推進し、麦や大豆を中心に高収益作物の導入促進や農業経営の規模拡大を図る。

 幹線排水路は延長3147mで、主要構造はブロック積延長741.5m、L型水路延長876.0m、U型柵渠延長1396.8m。受益面積は356ha。施設管理は思川西部土地改良区が担当する。事業期間は、24年度から29年度までの6カ年で、測量設計は24年度から、工事は25年度から29年度にかけて実施する。

 総事業費は14億7000万円で、内訳は工事費が12億9000万円、測量設計費が1億1000万円、用地補償費が7000万円。これを国が2分の1、県と市町が各4分の1ずつ負担する。

 なお、24年度には国営栃木南部土地改良事業における中核的な施設である与良川統合排水機場が稼働予定であり、この幹線排水路の整備によってその能力発揮に寄与することも求められている。排水機場につながるもう一方の西部幹線排水路は、国営事業で国が拡幅改修を実施している。

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