概算事業費は36億円 海浜運動公園改修の基本計画(神栖市)

[2024/2/16 茨城版]
 神栖市は9日、「令和5年度市海浜運動公園改修基本計画案」を公表した。計画案によると、改修の対象は同園の東側にある野球場、サブ球場、ソフトボール場、多目的広場などとし、観客席やグラウンドの改修、屋根付きベンチの設置、駐車場の整備などを実施していく。概算事業費は36億4000万円程度に設定した。なお、市は基本計画の策定に市民の意見を反映させるため、パブリックコメントで3月9日まで意見を募集している。

 海浜運動公園は温水プールやテニスコート、サッカー場、野球場、多目的広場など多くのスポーツ施設を有する運動公園。特にテニスコートは、砂入り人工芝コート24面を有し、国内でも屈指の大規模テニスコートとなる。市はトップスポーツも含めた競技者の国内大会や合宿としての利用を促進するため、同園の更新や改修を進めて、競技施設の充実を図ることを決定。昨年度は、テニスコートやサッカー場など公園の西側エリアを対象とした改修の基本計画を策定しており、クラブハウスや照明灯の新設などを進めている。

 今回の対象は、野球場やサブ球場、ソフトボール場、多目的広場などの公園の東側エリアとなる。計画の策定は千代田コンサルタント茨城営業所(龍ケ崎市)が担当し、アンケート調査やヒアリングを実施した。

 計画によると、野球場は市内唯一の硬式野球場として、プロ野球の開催や大規模な大会も可能な施設とするため、老朽化した本部棟の全面的な建て替えを行う。本部棟には、玄関ホールや管理事務所、本部席、放送室、倉庫、トイレ更衣室、シャワー室などを導入し、約1600平方m程度の規模を想定。観客席はバックスタンドに400席、内野に800席を確保し、新たに屋根と防球ネットを設置する。スコアボードに関しては、電光掲示設備のものへと更新。なお、ナイター照明施設については、今後の整備状況を踏まえながら別途検討する。

 これにあわせて、隣接する練習場をサブ球場として整備。対象面積は約7000平方mで、グラウンドの整地や芝の張替えなどを行う。また、大会誘致を見据えて、3連棟のベンチを2つ配置するほか、施設全体の防球ネット設置工事を実施する。概算費用は、野球場の本部棟と屋根付き観客席が12億3880万円、スコアボードが2億円、サブ球場のグラウンド整備が1億5000万円などと想定する。

 このほかソフトボール場では、外周の樹林を伐採して約1300平方m規模を拡大するほか、屋根付きベンチを整備。多目的広場は少年サッカー場とラグビー場を兼用するため、敷地の一部となる約8000平方mについて、不陸修正や芝の張替えを実施する。また、老朽化の著しい倉庫・トイレ棟の建て替えも行う。

 駐車場は大会開催を考慮し、既存駐車場に26台分を加えて最大200台が駐車できるものとし、舗装化も進める。このほか、管理棟から多目的広場へのアクセス動線として園路のアスファルト舗装工事や、降雨時の一時避難場所として大型テントの設置などを計画。また、南西側の道路には植栽を整備し、公園の玄関口としての景観性を向上していく。

 概算事業費は、ソフトボール場が1190万円、多目的広場が9472万円、駐車場整備に1億3180万円、園路や大型テント、植栽の整備に2億円を見込む。これに野球場やサブ球場の整備費、諸経費などを合算した全体事業費は36億4000万円程度としている。

 なお、今回の計画に含まれなかった温水プールについては今後、別途検討を行う。市によると、現在の施設の老朽化が著しいことに加えて、神栖地区の学校教育での使用なども想定していることから、大規模改修や建て替えも候補にあがっているという。

 この基本計画案に意見がある者は、持参または郵送、ファクシミリ、電子申請・届け出サービスで意見書(様式は任意)を提出できる。問い合わせは、教育委員会文化スポーツ課(電話0299-75-7529)まで。

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