2カ年で薬液槽更新 事業計画 日光道は計画の見直しを(県道路公社)
[2025/4/8 栃木版]
県道路公社は、2025年度の予算と事業計画をまとめた。それによると、道路維持改良費には14億1128万円を予算化し、舗装修繕や路面凍結防止剤の薬液槽更新、料金徴収システムの改修、ETCの更新などを実施していく。日光宇都宮道路(日光道)のリニューアル事業は、昨年度末に県道路施策検討有識者懇談会で取りまとめた「有料道路の管理・運営のあり方に関する提言」を踏まえて本年度は事業計画を改定することとし、橋梁の耐震補強工事などの再開は国による事業変更の認可後となる見通しだ。
本年度の支出予算額は59億6912万円で、前年度の45億8947万円から13億8915万円、率にして30.3%の大幅増となった。増加の主な要因は、道路維持改良費が3億7131万円増加したほか、業務外支出で9億5558万円増加したためとなる。
事業計画を見ると、改築計画では日光道リニューアル事業の認可事業費のうち、道路改築事業費計上を事業計画の改定に伴い見送り、維持改良費(大規模)のみ6000万円を計上した。維持改良費では、設備更新の2億8550万円を予算化している。
日光道は、宇都宮ICから日光ICまでが1976年、日光ICから清滝ICまでの区間も81年に供用を開始し、いずれも40年以上が経過して老朽化が進んでいるため、橋梁やトンネルの大規模修繕・耐震補強「リニューアル事業」に16年度から取り組んでいる。
これまでに、大規模修繕の対象となる橋梁25橋と2トンネルのうち19橋と2トンネルの補修補強工事が完了または実施中で、未着手なのは山王橋、徳次郎橋、上町橋、石那田橋、中妻高架橋、清滝高架橋の6橋となっている。
昨年度は、県道路施策検討有識者懇談会で有料道路の管理・運営のあり方の協議がなされていたことから、道路改築事業費の計上を見送っていた。本年度は、同懇談会の提言を踏まえて事業計画を見直し、県や国との協議や手続きを進めていくことから、引き続き道路改築事業の計上を見送っている。
提言では、今後とも高いサービス水準を維持するとともに、大規模リニューアル事業の着実な実施により安全を確保することが必要とし、必要となる財源は利用者負担を前提に、料金改定や料金徴収期間延伸で確保すべきとしている。これを透け、本年度は事業計画を見直したうえで県議会に諮り、議決を得たあと国土交通大臣へ事業変更の申請を行う。
日光道リニューアル事業以外では、舗装修繕を本線の轍ぼれ、ひび割れ、段差など痛みの激しい箇所を調査したうえで実施するほか、区画線の引き直しや橋梁の補修工事などを実施する。
設備更新は、大沢ICと日光ICで路面凍結防止剤の薬液槽を更新する。詳細設計は24年度に、大日本ダイヤコンサルタント(本社・東京都千代田区)に委託して策定しており、本年度から2カ年で更新工事を実施する。本年度は事業費6000万円を確保するとともに、翌年度までの債務負担行為6000万円も設定した。
各料金所に設置している料金自動収受機は、現状ではカメラの映像を各料金所の職員が監視ししているが、今後は人件費などのコストを低減させるため監視する職員を集約することとし、本年度はこれに必要となる料金徴収システムの改修を実施する。改修に要する費用は、約1億3000万円を予算化している。
ETC路側システムは、料金事務室に設置された親機を本年度から2カ年で更新するため、本年度分の事業費として約6億円を予算化している。このほか、逆走防止工事についても県警と協議したうえで実施する考えで、現段階では区画線や路面標示での対策を想定している。
管理計画は、有料道路の宇都宮鹿沼道路(国道121号)と日光宇都宮道路(国道119号および120号)を引き続き管理して、収入予定額17億4877万円を見込む。高架下施設は、鬼怒通り高架橋下駐車場、鶴田陸橋下駐車場、駒生陸橋下駐車場、宇都宮北道路陸橋下駐車場、雨情陸橋下駐車場、下川俣陸橋下駐車場、栃木街道跨線橋下駐車場の7カ所を管理し、4229万円の収入を予定する。
このほか、附帯事業施設管理は日光宇都宮道路の日光PAで585万円、受託事業は宇都宮北道路交通管理で1841万円、日足トンネルなど長大トンネルの保守管理に1億2803万円の収入を見込む。トンネルについては、受変電設備の保守管理業務などを委託する。