事業費は78億円 複合文化施設 本年度早期に設計着手(石岡市)
[2025/5/2 茨城版]
石岡市は、複合文化施設(市民ホール)整備基本計画案をまとめた。建設地はいしおかイベント広場で、メインホールやサブホールなどを整備。施設の延べ床面積は約6000平方mとし、概算事業費は77億8000万円を想定する。今後は本年度早期に設計にとりかかり、27年度前半までに策定。本体・外構工事は27-29年度で行う。施設の開館は30年度を見込む。
複合文化施設は老朽化により閉館した旧市民会館の代替施設として整備するもの。建設地は地盤強度や敷地面積の広さに優位性があることから、いしおかイベント広場とする。敷地面積は2万7478平方mで、第一種住居地域に指定。今後用途地域の見直しが必要になるほか、国分遺跡の範囲内であるため埋蔵文化財調査を実施する。
施設規模は約6000平方mを想定。導入機能として▽メインホール▽サブホール▽市民ギャラリー▽アトリエ・工作室▽音楽スタジオ▽和室▽デジタルスペース▽キッズスペース▽民間テナントスペース▽会議室▽学習スペース▽調理室──などを盛り込む。
このうち、メインホールは800席程度とし、可動式座席を採用。サブホールは平土間形式とし、200席程度の椅子が配置できる規模とする。関連諸室としてはホワイエや楽屋、技術諸室、倉庫などを配置していく。
市民ギャラリーでは市内の文化団体などが地域の芸術文化を発信できる空間を計画。アトリエ・工作室では創作過程やワークショップの作業風景を室外から見学できる視覚的に開かれた空間を検討する。
音楽スタジオでは練習などに利用できる空間とし、完全防音化を図る。また、演奏機材の配置や用途に応じた部屋の分割なども想定。
キッズスペースでは幼児や子どもが楽しめる遊具を設置。読み聞かせや紙芝居、伝統的な遊びが可能なエリア、子ども専用のトイレや手洗い場、空調設備や床暖房なども配備する。
このほか、屋外機能で広場や駐車場、駐輪場などを予定。駐車台数は500台程度、駐輪台数は100台程度を計画している。
これらを踏まえた施設の概算事業費は77億8000万円を想定。内訳は設計費5億4000万円、施設整備費62億円、外構整備費4億7000万円、備品購入費2億6000万円、埋蔵文化財発掘調査費3億1000万円。
事業手法はスケジュールの長期化に伴う事業への影響などを考慮して従来方式を選定した。設計施工分離発注方式で進める。管理運営方法は指定管理者制度を導入していく。
基本計画策定にあたっては横須賀満夫建築設計事務所(水戸市)が業務を担当。市は計画案に対し、5月18日までパブリックコメントを募集している。