改修工事が7月着工 被災施設を植物工場に 東松島ファーム
[2016/6/2 宮城版]
同事業は、コミュニティ施設併設型の最先端LED植物工場を整備する。同社は、V・プランニング(東京都世田谷区、阿部基教代表取締役、以下V社)が4月27日に立ちあげた。今後、小泉商事とジャパンクリエイトグループが協同出資者として加わる予定。市は土地を10年間無償で貸与する。
1期工事は、工場となる体育館が断熱パネル工事、既存トイレの撤去、排水配管の設備工事、栽培棚の設置、給気排気の設備工事など。校舎はトイレの配置換え、廊下や外壁の改修、栽培室の設備導入、コミセン兼レストランと研究開発室の整備などを行う。
2期工事は3年目、3期工事は5年目に増築を予定。体育館への栽培棚の設備増築や、校舎へのオープンテラスと育苗室などの整備、太陽光パネルの設置、屋外への植物園用ビニールハウスの整備などに取り組む。
現在は1期工事に向けた実施設計を作成している段階で、6月中旬までに見積りなどを取り終え、詳細の計画が決まる予定。助成金の申請時期によっては、10月着工、12月竣工となる可能性がある。
事業費の内訳は、初期投資に3億5000万円、3年目投資に1億2500万円、5年目投資に1億2500万円を見込む。雇用計画は、初年度で正社員と非正規社員を含め9人、5年目までには計16人を採用予定だ。
事業の主な特徴は、栄養価の高い安全・安心な野菜・果物の提供、環境への貢献、地元の雇用開発、東松島初の名産品の開発、栽培技術の国内外への発信など。
このうち、野菜・果物は、ミニトマト、レタス、イチゴなどで、1期目に1日当たり1880株、最終的に同4000株の栽培を目指す。V社によると、LED植物工場の場合、年間の収穫量が一般土耕栽培に比べ5~7倍になるという。
環境への貢献を見ると、施設で使用する電力は太陽光発電など再生可能エネルギーを活用する。植物工場で発生した余剰排熱や余剰CO2は校庭に設けるビニールハウスなどで再利用する。
旧浜市小は、敷地面積が9923平方m。建物は、本校舎がRC造2階建て延べ約1260平方m、新校舎が同3階建て延べ約527平方m、体育館がS造2階建て延べ796平方mの規模。被災学校施設利活用事業の公募型プロポーザルで、V社が優先交渉権者に選ばれた。
被災学校施設の利活用に向けては、J・M・S(以下J社、東京都新宿区、繁田信之取締役社長)が旧野蒜小学校(野蒜字亀岡82)を使って体験型宿泊施設を整備する計画になっている。こちらは用途地域の変更が必要で、12月~来年1月ごろに都市計画を変更し、その後に土地提供の契約を結ぶ見通し。