災害復旧費が5.7倍 出島架橋 56億円を債務負担 一般会計は過去最大(女川町29年度予算案)

[2017/2/25 宮城版]
 牡鹿郡女川町の29年度当初予算案が明らかになった。一般会計は前年度比25.6%増の516億9000万円で、過去最大の規模。このうち投資的経費は、普通建設事業費が同7.6%増の285億9878万円、災害復旧費が同約5.7倍の62億6007万円となった。災害復旧費の大幅増は、庁舎等整備事業の建設工事費として、過去に設定した債務負担の29年度分で40億3560万円を計上したことが主な要因。

 庁舎等整備事業は、町中心部に町役場、生涯学習センター、保健センターなどの複合施設を建設する。建物はS+RC造4階建て延べ約8350平方mの規模。本年度に実施設計・施工をデザインビルド方式で発注し、竹中工務店(東北支店・仙台市青葉区)が受注した。現在は実施設計をまとめている段階で、4月の着工、30年9月の完成を予定する。

 庁舎等整備事業以外では、水産業共同利用施設の復興整備事業補助に17億5000万円、女川出島線の道路新設改良工事費に10億3350万円、出島架橋建設事業の基本設計協定負担金に1500万円、本体工事協定負担金に2030万円を盛り込むなどした。

 出島架橋の本体工事協定負担金については、新たに限度額55億9265万円の債務負担を設定している。期間は30~34年度。出島架橋は、女川本土と離島の出島を結ぶ町道女川出島線を整備することに伴い、海上部に架ける橋長352mの橋。設計・工事は県に発注してもらうため、協定負担金を予算化した。町道部分の新設工事は町が発注する。

 一般会計ではこのほか、防災集団移転促進事業(離半島部)の工事施工等業務委託費に46億8320万円、漁業集落防災機能強化事業の工事施工等業務委託費に25億4586万円、鷲神浜地区と浦宿地区の雨水排水施設復旧委託費に18億2619万円を充てている。いずれも過去に設定した債務負担分だ。

 一般会計以外の主な29年度予算案は、土地区画整理事業特別会計が242億0773万円、下水道事業特別会計が9億0377万円、水道事業会計が36億7697万円。土地区画整理事業会計は前年度に比べ75.2%のプラス。一般会計と特別会計9事業、水道事業会計を合わせた予算総額は827億0004万円となった。

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