29年度に3342基を点検 緊急輸送路は跨道、構成橋など優先(千葉県道路メンテ会議)

 県内の道路管理者らが一同に会する千葉県道路メンテナンス会議は、28年度第3回の会議を27日、千葉市の美浜文化ホール音楽ホールで開いた。▽28年度の点検・修繕実施状況▽29年度以降の点検予定▽28年度の点検結果──などを議題としたもので、29年度では橋梁3118基、トンネル78基、道路付属物146基の計3342基を点検する予定だ。このうち▽緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋▽跨線橋(歩道橋含む)▽緊急輸送道路を構成する橋梁──について最優先で点検すべきとしている。

 同会議は、国土交通省千葉国道事務所、首都国道事務所、県、千葉市、県内53市町村、東日本高速道路(株)関東支社、首都高速道路(株)東東京管理局、県道路公社の道路管理者のほか、県建設技術センターで構成。

 議事に先立ちあいさつした国土交通省千葉国道事務所の八尾光洋所長は道路メンテナンスについて、26年度から開始した橋梁の点検が約5割になったことを示し、今後の長寿命化や災害時などに役立ててほしいと述べたあと、道路管理者が多く集まった場で、さまざまな件について意見交換や情報共有し、新たな一歩を踏み出す契機にしてほしいと出席者に呼びかけた。

 このあと議事に入り▽28年度の点検・修繕実施状況▽29年度以降の点検予定▽28年度の点検結果▽28年度の取り組み状況▽各地で道路メンテナンスを進める取り組み▽道路メンテナンスに関する地方公共団体アンケート結果について意見交換するとともに、情報を共有した。

 28年度の点検・修繕実施状況については、最優先で点検すべき橋梁のうち緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋が134基の計画に対して135基を点検(点検実施率100・7%)、跨線橋(歩道橋含む)が117基の計画に対して117基を点検(同199・0%)、緊急輸送道路を構成する橋梁が634基の計画に対して626基を点検(同98・7%)した。

 修繕の進ちょく状況をみると、橋梁は18基の計画に対して21基で実施(修繕実施率116・7%)、トンネルは6基の計画に対して2基で実施(同33・3%)、道路付属物等は12基の計画に対して1基で実施(同8・3%)している。このうち国交省千葉国道事務所では勝山橋、県では木下跨線橋、香取郡東庄町では花立橋の修繕事例を報告。

 28年度の点検結果は、29年2月1日現在の速報値が公表された。橋梁については、判定済みが722基(19・5%)となった。現時点では判定区分III(早期に措置を講ずべき状態)は100基(13・9%)、同II(予防保全の観点から措置を講ずることが望ましい状態)は406基(56・2%)で、同IV(緊急に措置すべき状態)はない。

 トンネンルは判定済みが47基(75・8%)。判定区分IVが1基(2・1%)あり、同IIIが13基(27・6%)、同IIが26基(55・3%)。道路附属構造物等の判定済みは35基(18・6%)。同IIIは5基(14・3%)、同IIは12基(34・3%)で、同IVはない。

 判定区分IVの構造物のうち、28年度で判定されたトンネル(主要地方道君津鴨川線「三直トンネル」)については、覆工コンクリートの剥落を防止するためFRPメッシュによる対策工事を実施。27年度で判定された構造物は2基あり、国道128号の門型標識は27年度に撤去済みで、28年度に更新設置。長生郡長南町の三級町道山内41号線「粟之須橋」は28年度に着手した架替工事が29年度に完了の予定。

 なお、26年度に同IVに判定された構造物は7つあり、3基は27年度に2橋梁の修繕工事、1道路付属物等の撤去工事が完了。残りの4基は通行規制などを実施しており、九十九里町道1005号線「西野橋」、同4081号線「山の神橋」は29年度に修繕工事が完了の予定。君津市道奥米、廻田線「奥米3号隧道」、同坂畑・草川原千「岩の上隧道」は廃道を検討中。

 28年度の取り組みのうち、県が実施している一括発注については、銚子市、君津市、印西市、白井市、匝瑳市、香取市、山武市、多古町、横芝光町の9市町を対象とした業務を県建設技術センターが受託し、橋梁729基、横断歩道橋3基、大型カルバート1基を対象に実施している。

 予定の議題が終了したあとは、意見や提案の時間も設けられ、橋梁補修関係の設計マニュアルについては、自治体の特性や海岸からの距離などを踏まえて同会議で事例を収集することや、コスト縮減に向けて開発された新たな技術などがある場合は情報提供することなどが確認されている。

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