浦宿橋の上部工に着手 年明け一般競争入札公告 女川で石巻女川線付替え(県)

[2017/4/13 宮城版]
 県は、女川町浦宿浜地区他の県道石巻女川線(国道398号と重複区間)を付け替える浦宿道路改良事業で、年度内に浦宿橋の上部工工事を発注する考えだ。同橋は橋長324mのPC5径間連続箱桁橋で、JR石巻線の上部を除く270m区間を県が架設する。発注見通しでは第3四半期に上部工を入札する予定となっているが、実際には年明けごろの入札公告となりそうだ。32年度までには2期事業として、国道398号と町道旭が丘万石浦線が交わる交差点の改良も実施する。

 石巻女川線の一部は、浦宿浜地区でJR石巻線のガード下を通過しているが、幅員が狭く大型車両の通行が困難となっている。県はこの状況を解消するため、浦宿道路改良事業で、万石浦の北東部を抜けて同町鷲神浜地区に至る新ルートを整備する。万石浦の海上には浦宿橋を架ける。

 改良延長は、1期が398号の現道から浦宿橋を架け、旭が丘万石浦線までに至る660m、2期が旭が丘万石浦線と398号との交差点から、「女川町きぼうの鐘商店街」方面に向かう420m。事業期間は20年度から32年度まで。大震災の影響で一時中断していた。総事業費は約50億円を試算。現時点の進捗率は事業費ベースで8%程度。

 1期で整備する付け替え道路の幅員は、車道部分が6.5mで、歩道を含めると全幅11.5m。浦宿橋の下部工のうち、A1橋台とP1橋脚をJR東日本が担当し、P1~P4橋脚とA2橋台を県が担当する。県の担当エリアは、一括して東日本コンクリート・大豊建設復興JVが下部工工事を請け負っている。JR部分はこれから下部工工事に本格着手する。

 上部工工事は、道路課が発注する。概算工事規模は5億~24億7000万円で、工期に約37カ月を見込んでいる。A2橋台の付近で、同町が下水道の貯留施設を地下に埋設しており、これに時間を要する関係で下部工工事が少し遅れ気味にある。上部工工事は年明けに発注し、30年度から現場入りすることになりそうだ。

 橋の前後の取り付け道路については、女川方面側と、石巻方面側の起点部分がすでに整備済みとなっており、現在は石巻方面側で橋へのアプローチ部分をユナイティヴが施工している。

 終点側の浦宿橋から先は、旭が丘万石浦線に摺り付く。同線はその先で398号とT字に交わっているため、2期事業で交差点を改良し、真っすぐに398号を経由して同商店街の方へ抜けられるようにする。

 交差点改良で手を付けるのは主に398号で、同商店街から南側に下りる町道も一部手を加えることになる。交差点改良の設計はパスコが担当している。同町が進める復興事業の進捗や交通量などを見極めた上で着工し、32年度までの完成を目指す。

石巻女川線の現道。海側の道路より低い位置をJRの線路が並走している。ここから浦宿橋を架ける。海上では下部工の一部が施工中

石巻女川線の現道。海側の道路より低い位置をJRの線路が並走している。ここから浦宿橋を架ける。海上では下部工の一部が施工中

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