水道事業 基本計画でプロポ 10年間の施設整備検討(千葉県我孫子市)

[2017/5/16 千葉版]
 千葉県我孫子市水道局経営課経営担当は、水道事業基本計画等策定業務委託について15日、公募型プロポーザルの募集要領を公表した。企画提案書等の提出期間は6月7日~7月3日で、ヒアリングなどによる審査結果を7月21日に公表する予定。30年度までの2カ年で、10年間の水道施設整備計画など水道事業の基本計画を策定する方針だ。

 同業務の税込予定価格は4989万6000円。履行期間は31年3月20日まで。29年度の水道事業企業会計予算には、水道事業基本計画等策定業務委託として、総額5206万8000円の継続費(年割額は29年度2603万4000円、30年度2603万4000円)が設定されている。

 主な参加資格は、市の資格者登録簿で「測量・コンサルタント」の大分類「土木関係建設コンサルタント業務」の中分類「306(上水道及び工業用水道)」に登録があり、県内に本店または受任事務所があることなど。

 公告日から起算して過去5年以内に官公庁発注による水道事業基本計画、水道事業ビジョン、水道事業におけるアセットマネジメント及び公営企業の経営戦略策定業務を受注し、完了した実績も求める。

 企画提案の評価は、経営状況と実績状況で200点。[1]第4次拡張事業等既存計画の総括及び施設の現況評価、経営課題の抽出[2]水需要予測を用いた基本諸元見直しと設定[3]水安全計画策定支援[4]水道施設の評価[5]水道事業ビジョンの策定[6]水道施設整備計画(10年間)の策定[7]アセットマネジメント(タイプ3C以上)の実施[8]組織力強化と人材育成についての考察[9]公営企業の経営戦略策定[10]水道事業運営審議会、議会等説明資料作成及びパブリックコメント業務支援[11]業務体制及び業務実施計画の検討──に関する企画・提案の課題に対する提案が700点。見積金額が100点で、合計1000点。

 同市の水道事業は、昭和43年に通水を開始して以来、都市化の進展による急激な人口の増加等に対応すべく4回の拡張事業を実施してきたが、近年では人口減少などに起因する水道需要の縮小化や頻発する自然災害への対応等、水道事業を取り巻く環境が大きく様変わりしていることから、今後過渡期を迎える施設の更新需要に備え、新たな視点での計画的な事業運営の必要性が生じている。

 このことから、同市水道の現状を評価し、将来の見通しを分析した上で新たな事業計画を策定し、これを水道事業ビジョンとして示すとともに、アセットマネジメント手法による水道施設再構築への方策整理と中長期的な投資・財政見通しを明らかにすべく経営戦略策定に取り組み、効率的かつ効果的な事業運営に資するもの。

 業務の対象は、対象区域が市水道事業給水区域全域(茨城県取手市小堀を含む)で、対象施設が市水道事業全施設。市水道の第4次拡張事業及び水道事業基本計画を経て整備された現況の水道施設について総括的に評価するとともに、水道事業に特有な経営や施設面からの課題整理とその対応に最適な方策について多面的な検討等を行うことにより、事業運営の指針となる計画を策定する。

 業務等課題のうち、水道施設整備計画(10年間)の策定についての内容は次の通り。
▽将来の水道需要を見通し、ライフサイクルコストを十分踏まえた上で、現有水道施設の更新(手法、時期)と適正規模化について検討する
▽重要施設等への給水確保や耐震化などを踏まえ、基幹となる水道施設を軸に重要度、優先度を考慮した整備計画を立案する
▽施設(建築物、構造物及び付帯的設備)、設備(機械、電気、計装)について過去に行った診断・評価を基に耐震化及び長寿命化計画を策定する。なお、診断・評価のない施設等は、相当の合理性を確保して計画に反映する
▽導送配水管網は、改編(系統変更、二条化等)も含め、耐震化計画、長寿命化計画及び鉛製給水管
解消計画を策定する。 なお、策定にあたっては管路付属設備も包含する。
・水道施設整備計画では、重要度、優先度、整備手法、財源手当等について明確にし、前期5カ年の取組事業を実施計画として示す
▽将来水道需要を踏まえ、予測不可能な水道を取り巻く外的変化に施設の安全性(冗長性)として備えるべき考え方を整理する
▽危機管理対策において、管路事故・水質事故時の影響の最小化や重要施設への給水を効果的に図るための具体的方策の検討を行う

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