大宇根建築設計を特定 美術館リニューアル調査 年度内に基本方針策定へ(県教育庁)

[2017/7/22 宮城版]
 県教育庁は県美術館(仙台市青葉区川内元支倉34-1)のリニューアルに関し、大宇根(おおうね)建築設計事務所(東京都町田市)に基本方針策定に向けた調査業務を委託する方針を決めた。老朽化している既存施設の現状を調査し、改修の必要箇所や規模、概算事業費などをまとめてもらう。これを元に県教育庁は、本年度中にリニューアル基本方針を策定する。同庁は32年度から設計など事業に着手し、36年度中のリニューアルオープンを目指す。

 県教育庁が大宇根建築設計事務所に委託するのは、公募型プロポーザルによって手続きを進めている「宮城県美術館施設整備事業におけるリニューアル基本方針策定に係る調査業務」。11日まで企画提案書を受け付けたところ、2社が書類を提出した。19日に選定委員会を開いて応募者の企画を審査した結果、大宇根建築設計事務所の提案を最優秀とし、委託候補者に決定した。県は今後、同社から見積もりを取得し、正式契約に向けての手続きを進める。予定価格は1986万8760円(税込)。

 県美術館は老朽化により、最近では屋根や外壁の防水機能が低下。配管も腐食している。同社には建物の現状を調査してもらい、その上で▽更新・改修箇所の判断▽各施設の必要規模や機能を考慮してのゾーニング検討▽リニューアルに向けたスケジュール▽概算事業費やリニューアル後のランニングコスト──などなどをまとめてもらう。履行期間は30年3月23日まで。

 昭和56年11月に建設された県美術館は、最近では老朽化が進んでいる上、展示スペースが手狭になってきた。また、バリアフリーや外国人利用者への対応が遅れ、時代のニーズに合わなくなっている。建物の規模は、本館がRC造(一部S造)地下1階地上2階建て延べ1万2130平方m。敷地内には別館として、本県出身の彫刻家・佐藤忠良氏の作品を展示する佐藤忠良記念館(RC造地下1階地上1階建て延べ2990平方m)が併設されている。

 県はことし3月に、リニューアル基本構想を策定している。現時点の計画では、本年度中にリニューアル基本方針を策定し、30年度からは大規模公共事業の事業評価など、審議会での認可手続きを進める。32年度から2カ年程度で基本・実施設計をまとめ、34年度から工事に着手する方針。36年度中のリニューアルオープンを目指す。

既存施設をリニューアルする宮城県美術館

既存施設をリニューアルする宮城県美術館

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.