東松戸まちづくり用地活用 民間事業者の募集開始(千葉県松戸市)

[2017/9/1 千葉版]
 千葉県松戸市公共施設再編課は、計画を進めていた「東松戸まちづくり用地活用事業」について8月30日、公募型プロポーザル方式による民間事業者の募集要項を公告した。松戸市立病院の移転先として従前に取得されていた市有地を活用し、図書館をはじめとする公共施設とともに、民間の活力を利用して、任意の民間施設を含めた複合施設を建設しようとするもので、公共施設の取得費の上限額として9億6380万円(税別)を設定。優先交渉権者の決定は12月下旬を予定している。

 建設場所は、JRおよび北総鉄道東松戸駅に至近な東松戸2-14-1、-4~9(旧紙敷土地区画整理65街区)の2875平方mの敷地。用途地域は多くが第2種住居地域で、建ぺい率60%、容積率200%(第1種高度地区)となっている。施設は分築、合築のどちらでも提案できる。

 市では民間事業者自らの資金調達と企画・運営で施設を建設、維持管理してもらい、市は施設内に配置する公共施設の取得費と維持管理費を支払う一方、事業者から土地の取得費と市税を受け取ることとしている。土地の取得費について基準額として1平方m当たり9万2200円、維持管理費については年間1700万円を上限とした。

 優先交渉権者の決定までのスケジュールをみると、質問を9月19日まで受け付けた上で10月6日に回答。参加表明書は10月25日~11月1日に提出を求め、提案書は11月27日~12月1日に提出。同下旬の事業者によるプレゼンテーションを予定している。

 公共施設として整備するものとして市は、基準面積1100平方mの図書館と、同650平方mの行政サービススペース、同200平方mのこども夢ステーション(仮称)を計画。このほかエントランスホールを含む共用部と、駐車場(公共用10台+提案)、駐輪場(同30台+提案)、外構などとし、民間施設は提案によるとした。

 このうち民間施設については、任意の提案とし、規模や用途などについては事業者の提案を原則とするものの、周辺地域の環境などに配慮した施設が想定されるとしたほか、公共施設と民間施設を合築して整備する場合、民間施設の部分を住宅などの分譲事業とすることを認めないとしている。

 プロポーザルの参加資格は、企画力や資本力など経営能力を備えた単独企業または複数の企業により構成されるグループとし、特別目的会社(SPC)の設立も可。実績として過去10年以内に、民間施設部分の提案内容と同用途の施設に伴う同等以上の規模の不動産開発業務の実績があることなどとした。

 審査に当たっては、学識経験者など外部委員と市職員による審査委員会を設置。事業コンセプトや実施体制、リスク、収支計画、民間施設の提案内容、全体の整備計画、公共施設の諸室計画、ライフサイクルコスト低減とユニバーサルデザイン、施工計画、価格などで審査することにしている。

 市では地域の将来像を見据えた、東松戸地域のまちづくりへの貢献に寄与する土地活用とともに、市の財政状況を踏まえ、民間事業者の持つアイデアやノウハウを積極的に活用した、いわゆる公民連携型の事業手法による成果を期待したいとしている。

 事業に当たって市ではこれまでに、事業の推進支援業務(コンストラクション・マネジメント(CM)業務)を日本不動産研究所(千葉支所・千葉市中央区)に委託。市は千駄堀への新病院建設を決めて以降、今回の東松戸について文化や芸術、生涯学習、まちづくり、ボランティアや市民活動といった横断的な活動や交流のネットワークの活性化を促し、多世代にわたる人々の学びの動機付けとなり得る、多様な人々がそれぞれの活動を通して時間を共有するゆるやかなつながり生む空間または場として、地域社会の魅力を高める「コミュニティと学びの交流拠点」の整備を目指すことを基本理念としていた。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.