「東京8号線」推進へ独自調査 清水台小の仮設校舎設計(千葉県野田市)

[2017/9/2 千葉版]
 千葉県野田市の鈴木有市長は、1日に開会した市議会9月定例会に、一般会計補正予算案を含む議案を提出した。同会計は9億7474万円増の総額483億1550万円となる。増額の主因は、市が目下増強を図っているという財政調整基金の積立金6億7000万円の計上によるもの。主なものでは都市高速鉄道である「東京8号線」の整備に向けた市独自の検討調査の業務委託料に3カ年で総額1080万円の継続費を新たに設定するのが目立っている。

 「東京8号線」は、東京地下鉄8号線(有楽町線)が豊洲駅から東京都江東区内を北進し、東陽町やさらには押上、亀有とさらに延長して埼玉県八潮市や越谷レイクタウンを経由し、野田市駅に至るルートで検討されている鉄道の新路線。「東京と直結する鉄道」は、東京都心から30km圏に位置する主な市と比較すると、最も速達性に劣っているとされる野田市民にとって長年の悲願となっている。

 野田市を含む近隣市町で「地下鉄8号線誘致期成同盟会」(現在の地下鉄8号線建設促進並びに誘致期成同盟会)が昭和59年に設立されるなど、国や県に対し官民で事業化の要望書を何年にもわたって提出。これらを受けて平成7~8年度には、8号線の北部延伸構想の基礎調査も実施されるなどし、八潮~野田市間の先行整備などが検討されている。

 今回の検討調査の委託は、近隣市に先駆け、8号線が開通した場合の野田市に及ぼす人的、または経済的な影響や期待できる効果などを調査して資料としてまとめ、施策の検討材料とするとともに、今後の要望に当たっての材料にもしたい考えだ。鉄道に関する課題などに長けたコンサルタント業者に委託する方針だが、発注方法などは今後詰めていくとしている。

 8号線の整備については、国の諮問機関である交通政策審議会による答申にも盛り込まれたほか、八潮駅で常磐新線(つくばエクスプレス)との相互乗り入れ、並行する国道4号東埼玉道路との一体整備など、多方面からの検討が進められているが、事業化には至っていない。

 このほか補正案では、清水台小学校(清水773)で、周辺の住宅地の開発が進み、児童が増加傾向にあるため、この解消に向けプレハブ校舎の設置を計画。設定委託料435万円を計上。4教室分の増設を計画しているという。

 また、市立の複合老人ホーム「楽寿園」(鶴奉264、指定管理者:社会福祉法人野田みどり会)では、養護老人ホーム55床のほか、小規模特別養護老人ホーム15床が併設されているが、需要の多い特養ホームの定員増に向け、養護ホームを定員41人にするとともに、特養ホームを29人とするため改修工事費1360万円、備品購入費1383万円を盛り込んだ。特殊浴槽の追加などを予定している。福祉施設関連ではまた、小規模高齢者施設へのスプリンクラー設備の設置補助金1000万円も計上した。

 このほか主なものをみると、道路維持のための応急処理工事費6000万円、市道41022号線の道路改良工事費225万円、交通安全施設設置工事費600万円、市内への防犯カメラの設置工事費858万円、災害対策費として5カ所の医療救護所への無線設備設置工事費128万円と災害時用のテントなど備品購入費459万円、農道の維持管理のための応急処理工事費230万円などがある。

 継続費ではまた、28年度から2カ年の継続費を設定していた「船形堤外排水路改修事業計画書作成事業」について、130万円の事業費を追加した上で、30年度までの総額680万円の3カ年継続事業に変更する。

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