坂元川、戸花川でその4工事 バック堤など764m整備 相馬亘理線との交差部(県)

[2017/9/12 宮城版]
 県は亘理郡山元町内を流れる坂元川と戸花川の河川堤防復旧について、移設する主要地方道・相馬亘理線と交差する区間の工事を発注する。11日付で「坂元川河川ほか災害復旧工事その4」と「戸花川河川ほか災害復旧工事その4」の一般競争入札を公告した。単体企業または復興JVを対象に、10月2日まで入札参加を受け付ける。両工事で仙台湾南部海岸堤防のバック堤と既存堤防を計764m整備する。

 坂元川河川ほか災害復旧工事その4と戸花川河川ほか災害復旧工事その4の発注業種・等級は「土木一式工事S等級」。単体企業と復興JVの代表者は、県内に本社があることが条件となっている。このほか▽主任(監理)技術者を配置すること▽入札保証金を納付すること──も必要。

 入札のスケジュールは、入札参加申請書の提出が10月2日まで。設計図書の閲覧・貸出が同3日まで。入札書は3、4日に電子入札システムで受け付ける。標準型(施工計画型)の総合評価方式を適用し、同5日に開札する。予定価格は、坂元川が8億4076万7000円、戸花川が9億9171万8000円。

 東日本大震災による津波が遡上し、流域で甚大な被害が起きた坂元川、戸花川では、河口部に整備された海抜7.2mの仙台湾南部海岸堤防と同等のバック堤を、旧JR常磐線の線路敷付近まで整備している。線路敷から上流側は、震災前の規格で原形復旧している。

 坂元川の事業延長は2019m。これまでWTO対象工事など3件が発注され、大豊建設・森本組・橋本店JVらが河川堤防などを施工している。また、戸花川の事業延長は2012mで、その1からその3工事が発注済み。本田組らが施工している。今回、発注する坂元川その4と戸花川その4は、両河川の復旧では最後の工事となる見込み。

 常磐線はすでに、国道6号に近い内陸側に移設された。県は相馬亘理線を盛土構造にし、津波に対する二線堤として旧常磐線の線路敷に内陸移設する。坂元川その4と戸花川その4の工区は、ちょうど内陸移設する相馬亘理線と交差する区間となる。しかも堤防は、海抜7.2mのバック堤と原形復旧する既存堤防が接続する部分となる。

 坂元川その4の施工地は、旧坂元駅に近い山元町坂元。復旧延長は372.1m(左岸193.7m、右岸178.4m)で、築堤盛土量は1万6740立方m。のり面7509平方mをコンクリートブロックで被覆する。堤防高が震災前より高くなるため、既設の中浜橋(橋長45.2m)と中島橋(40.4m)を解体撤去する。

 一方、戸花川その4の施工地は、坂元川より400mほど北側の位置。復旧延長は391.9m(左岸179.9m、右岸212m)で、築堤盛土量は2万8763立方m。のり面1万0039平方mをコンクリートブロックで被覆する。工事では相馬亘理線に架かる新川橋(橋長27.9m)を解体撤去する。

 両工事とも工期は31年3月25日まで。

 内陸移設する相馬亘理線の工事では、坂元川に架設する新中浜橋の上部工工事が施工中。戸花川に架設する新新川橋については下部工工事が完了し、発注された上部工工事で橋桁などの工場製作が進んでいる。

20170912sen

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