老朽庁舎の劣化診断 1四半期に業務委託 迫、米山は建物調査(宮城県登米市)

[2018/4/18 宮城版]
 宮城県登米市は既存庁舎の劣化診断に関し、30年度は迫庁舎(本庁舎)と米山総合支所、石越総合支所の3施設を対象に調査を実施することにしている。劣化診断に関し、第1四半期に「庁舎劣化診断調査業務」を指名競争入札によって委託する方針。3施設のうち、迫庁舎と米山総合支所は内外壁や屋上など建物の劣化調査を行い、長寿命化に向けた改修計画などをまとめる。

 登米市では老朽化した本庁舎の長寿命化と行政機能の集約に向けて、一時は新庁舎の建設構想が議論された。しかし、昨年4月の市長選で、新庁舎建設構想の白紙撤回を掲げた熊谷盛廣市長が初当選した。これにより、今は各地区にある既存庁舎、総合支所を長寿命化し、総合支所に権限を委譲して行政サービスを行き届かせる方針に変わっている。

 各地の行政サービスを充実させるためには、拠点となる庁舎、総合支所の機能を十分に高める必要がある。そのことで市は、29年度から各庁舎、総合支所の老朽化の程度を把握するため、劣化診断を実施している。

 平成17年4月に9町が合併した登米市には、9町ごとに庁舎または総合支所が置かれている。このうち、合併後に建設された豊里総合支所、津山総合支所と、合併直前に建設された南方庁舎は建物が比較的新しいため、劣化診断は行わない。残りの6施設については、29~31年度の3カ年で劣化診断を段階的に実施する。

 ほとんどの施設は電気、機械設備を中心にした劣化診断を行うが、建設から40年以上が経過している迫庁舎、米山総合支所の2施設は、建物の劣化診断も行う。

 迫庁舎は昭和50年に建てられたRC造3階建て延べ6288平方m。建設から43年が経過する。29年度は先行して設備関係の劣化診断を行った。本年度は建物の劣化診断を実施する。

 米山総合支所はRC造3階建て延べ3924平方mで、昭和49年の竣工。すでに44年が経過する。本年度は建物に加え、設備関係の劣化診断を実施する。

 第1四半期に委託する庁舎劣化診断調査業務では、竣工時の設計図や修繕履歴から不具合のある箇所を把握した上で、建物の内外壁のひび割れや屋上防水の状態、外構などの不具合などを調べる。改修工事の必要性が出てきた場合は、改修時期や工法、概算工事費を算出するなど、改修に関する基本計画をまとめてもらう。業務の履行期間は6カ月程度を見ている。

 委託する業務では、石越総合支所の電気、機械設備の劣化診断も行う。同総合支所の庁舎はRC造3階建て延べ2925平方mで、平成10年に竣工した。

 市は30年度予算に、調査委託料など882万円を計上している。劣化診断の結果、改修工事が必要になった時は、31年度以降に改めて改修工事を発注する意向だ。

 31年度は今のところ、登米総合支所と東和総合支所の設備について、劣化診断を行うことにしている。

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