宇都宮市LRTで駅西延伸検討 大谷までの5案を構想 概算事業費は150~400億円

[2018/5/11 栃木版]
 宇都宮市はこのほど、LRT事業において、JR宇都宮駅西側のLRT導入に向けた検討状況を明らかにした。整備区間については大通りが望ましいとし、桜通り十文字付近からの延伸については、大谷観光地付近までなどの5案を構想した。概算事業費については150~400億円としている。市は今後も事業化に向けた調査や、関係機関等との意見交換などを実施。道路の整備状況やまちづくりとの連携、観光振興等も踏まえた段階的な整備も含め、整備内容を具体化するとしている。

 市はJR宇都宮駅西側の整備について、桜通り十文字付近までを計画していたが、さらなる延伸を含めた整備について検討を進めてきた。

 導入路線については、▽大通り▽大通り(オリオン通り経由含む)▽いちょう通り▽県庁前通り-から比較検討した結果、大通りへの導入が望ましいとした。延伸方向については、北方面(宝木・国本)、南方面(姿川)、西方面(城山)を比較検討した結果、西方面への延伸が望ましいとした。

 整備区間については、桜通り十文字付近からの延伸を検討した結果、[1]桜通り十文字付近(L約3km)[2]護国神社付近(L約4km)[3]宇都宮環状線付近(L約5km)[4]東北自動車道付近(L約6・5km)[5]大谷観光地付近(L約8km)-の5案を設定した。

 概算事業費については、▽道路空間は宮の橋交差点~池上町交差点までの区間および宇都宮環状線~大谷観光地付近までの区間を2路線、その他区間は4路線として設定▽軌道については、宇都宮環状線までを複線、それ以西を複線・単線の2案で算定▽JR宇都宮駅交差部の整備の費用は含まない▽交通結節点のJR宇都宮駅、東武宇都宮駅、桜通り十文字の整備に係る費用は含まない▽地下埋設物等の移設に係る費用は含まない-との条件の下で算出。

 桜通り十文字付近では150億円、護国神社付近では180億円、宇都宮環状線付近は210億円。東北自動車道付近は複線が330億円、単線が280億円。大谷観光地付近は複線が400億円、単線が330億円と試算している。

 今後の検討項目については、▽まちづくりの効果等を踏まえたJR宇都宮駅西側のLRT整備区間の決定▽LRT導入後の道路空間再編案の決定や、交通円滑化対策の具体化▽桜通り十文字付近や、東武宇都宮駅へ整備する交通結節機能等について、土地利用との一体的な検討▽JR宇都宮駅交差区間の横断ルートの確定▽LRTの需要予測や概算事業費の精査▽LRT沿線の再開発事業等のまちづくりと一体となった、大通りの道路空間の確保などの検討-を挙げている。

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