基本設計を来月再開 31年度にも実施設計(県総合災害医療センター)

 県病院局経営管理課は26日、県総合救急災害医療センター(仮称)の建築工事に向けた基本設計業務について、7月にも再開する方針を明らかにした。昨年6月にプロポーザル方式で選定した梓設計(東京都品川区)に委託していたが、計画に県循環器病センター(市原市鶴舞575)を加えることなどが検討されたため、同11月から業務を中断していた。スケジュールは1カ年度先送りされる形となり、31年度の実施設計、以降3カ年度での新病院建設工事が見込まれている。

 再開の方針は、開会中の県議会6月定例会で説明された。基本設計については、28年度に策定した県救急医療センター・精神科医療センターの一体的整備に係る基本計画を踏まえ、県救急医療センターと県精神科医療センターの一体的整備により、新病院として県総合救急災害医療センター(仮称)を建設し、併せて県精神保健福祉センターを合築するもの。基本運営計画策定に伴う業務は、企画提案競争により選ばれた病院システム(東京都豊島区)が担当した。

 基本設計を進めるに当たり、2病院に加えて県循環器病センターの統合も検討されたが、県では整備の緊急性を総合的に勘案、先の基本運営計画通りに事業を進めることにしたという。29年度予算に委託料8,000万円などが盛り込まれていたが、これらは30年度に繰り越し。同年度中の業務完了を見込む。

 県救急医療センター(千葉市美浜区磯辺3-32-1)は、昭和55年に完成。当時の設計は田中・西野設計、施工は奥村組らが担当した。敷地内には本館(RC造2階一部3~4階建て延べ1万1,172平方m)、看護師宿舎(RC造5階建て延べ2,911平方m)、医師住宅(10戸・延べ864平方m)が設置してあるほか、ヘリポート(324平方m)もある。

 一方の県精神科医療センター(千葉市美浜区豊砂5)は昭和60年に、日本初の精神科救急医療として開院。元設計は相和技術研究所、元施工を高沢工務店などが担当。本館の規模はRC造2階建て延べ3,798平方m。

 両センターではそれぞれ、重症患者に対する救命救急処置や精神障害者に対する迅速かつ適格な精神科医療を提供しているが、施設の老朽化や狭あい化といった課題を抱えている。また、県精神保健福祉センター(千葉市中央区仁戸名町666-2)は、地域住民の精神的健康の維持増進等を図るため、昭和46年に開設され、施設は供用から40年以上が経過している。

 県総合救急災害医療センターの建設予定地は千葉市美浜区豊砂6-1ほかの敷地面積約4万2,000平方m。ここに延べ約2万1,000平方m規模の病院(150床)を建設する計画で、新病院の完成以降には、既存の建物(延べ面積約2万0,200平方m)は解体する予定となっている。

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