県道下暗渠34mを推進工 八幡池増額、期間延長へ(芳賀農振)

[2018/8/24 栃木版]
 農村地域防災減災事業(ため池)を充当して整備に着手した益子町長堤地内の八幡池の事業費が約5000万円増の1億2500万円程度、事業期間も1年延長の31年度までになる見通しとなった。主要地方道つくば益子線下に埋設する排水管(φ1500)の施工を当初の開削から推進工に変更したためで、県芳賀農業振興事務所によると、同暗渠排水管(L34m)の工事は9月にも指名競争入札で発注できるよう準備を進めているとした。今後は事業費や期間を精査し、国に変更手続きを申請していく。暗渠推進工を含む八幡池の測量設計は、第一測工(宇都宮市)が担当している。

 八幡池は、大雨時に池の水が溢れ農地等に湛水被害が発生しており、浚渫や下流への排水容量を増加させるため、取水・排水施設等の整備を行うもの。

 具体的には、▽浚渫による有効貯水量1万2000立方mの確保▽取水施設2カ所の改修と簡易スライドゲートの設置▽排水容量向上のための流入調整桝設置と管渠等による排水路の更新-などを計画した。当初の総事業費には7600万円を試算していた。

 暗渠工は八幡池に隣接するつくば益子線下に埋設する。延長は34mで円形のヒューム管で施工、工期に6カ月を見込んでいる。同地の県道は池の縁に沿うように勾配のある見通しの悪いカーブとなった箇所で、施工にあたっては交通を制限し危険性の伴う片側通行等を余儀なくされるため、交通に影響の少ない推進工を選択したとしている。

 現状の水路は円筒形(φ900)とし、排水容量増加に伴い計画ではボックス工(1500×1500ミリ)で整備。概算延長には150mを試算しており、同県道下など道路交通の影響範囲は円筒形の暗渠で施工するとした。

 八幡池は約150年前の江戸時代末期に築造された。形式は均一型で、堤体の法面は土羽となっている。八幡池を含む同県道南側の丘陵等約107.48haを集水区域とし、同県道北側に広がる水田等約32.1haが受益地となっている。池の管理者は益子町土地改良区。

 整備計画では、堤体の余裕高を約1m確保するため、浚渫や取水施設、流入施設・下流水路の整備を実施する。県道下の排水管を除くこれらの整備は31年度に実施する予定。

 池が必要とする有効貯水量は1万2000立方m。草木が繁茂する池内の現況貯水量は7643立方mとし、4357立方mが不足するため浚渫を実施する。

 取水施設は池の北側の同県道側に2カ所あり、木栓による手動で取水量を調節、用水管理が困難という。また、取水施設は池内に突出した堅樋とし、安全施設が無く転落の危険性が高いとした。計画では、用水管理を確実に行うため簡易スライドゲートの設置に加え、安全面に配慮し堤体上から操作可能な堅樋(φ250)に改修するとしている。

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