基盤整備へ31年度造成工 足利市 年内に道路街区設計 春日住宅跡地1.2㌶を宅地開発

[2018/10/04 栃木版]
 足利市は、山下町地内の春日市営住宅等跡地約1.2㌶の宅地開発を計画しているが、市が直営で基盤整備を実施し分譲する方向で検討していることが分かった。現在、調整池を含めた雨水排水計画のための設計を実施しており、引き続き宅地開発に必要な道路や街区など同エリアの整備のための実施設計を発注する見通し。市市街地整備課によると、31年度には造成などの工事に着手できるよう、今年度で整備計画を固めていきたいとしている。雨水排水等設計は晃洋設計測量(足利市)が担当している。
 市は29年度、同跡地を含む影響範囲2.5㌶の測量を実施し、開発可能な面積1.2㌶を算出、事業に必要な図書を作成した。今年度当初予算には、(仮称)山下町住宅団地整備として、測量や設計費等1350万円を計上している。
 開発予定の1.2㌶は市が所有しており、整備手法では市が事業主体の個人施行による土地区画整理事業も検討。今後、策定予定の整備計画の中で、調整池や公園、道路、街区、上下水道など公共施設の配置計画等とともに、分譲戸数や総事業費などを試算していくとしている。
 春日市営住宅は市所有の敷地が全体で4.4㌶あり、このうち老朽化が著しい建物20棟計96戸分について17年度に解体撤去している。撤去した跡地の約1.2㌶については、現在も利用されず空き地となっている。
 市は28年度に民間事業者に分譲する方向で検討を開始。同地は住宅団地が立地していたため、既存の道路等は活用できるものの、新規開発に当たっては区画を再構築するなど、造成整備が必要としている。
 同跡地から半径2㎞圏内には、JR山前駅や山前小学校、西中学校などの公共施設が立地しているほか、周囲には足利赤十字病院や北関東自動車道足利IC・太田桐生ICなど施設が充実。32年度には、JR両毛線をアンダーパスし国道50号へのアクセス強化を目指した南北の幹線道路である鹿島山下通りの改良事業が完了する予定で、同路線からも至近な位置にある。
 市の30~31年度実施計画では、春日市営住宅等跡地整備事業について、豊かな自然環境に調和した好立地な一団の未利用地とし、首都圏などからの交流人口を増加させ、市への移住・定住につながる住宅地開発を進めるとしている。

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