空調賃貸借を興銀リース 小中学校 監理・維持は福井電機(習志野市)

[2019/1/24 千葉版]
 習志野市教育委員会は、23日に開札した市立幼稚園・小中学校空調設備賃貸借の一般競争入札で、事後審査の結果、興銀リース(東京都港区)を落札者に決めた。予定価格22億2,387万3,000円に対し、落札額は20億74,02万円(ともに税抜き)。賃貸借の期間は今年7月から2032年6月までの156カ月(13カ年)で、施工監理と設置後の維持管理業務は福井電機(千葉市中央区)が務める。

 空調設備を設置する対象とするのは、市立の小学校16校と中学校7校、幼稚園4園の計27校・園。市による検査期間も含め、19年6月末までの設置を求める。

 賃貸借の一般競争入札に当たって市は、費用対効果の高い空調設備の適正な機能を維持しながら、省コストで省エネルギーな機器を選定、設計、施工した上で、適正な維持管理を求めた。加えて学校での教育環境に支障がなく、近隣への影響にも配慮することなども要望していた。

 外壁・屋上やトイレの改修を優先させたため、これまで保留していた普通教室への空調設備の設置について宮本泰介市長は、18年8月下旬、庁内で設置の方針を明らかにしたという。同市立の小・中学校では職員室など管理教室や、保健室や音楽室、特別支援教室などには空調設備が設置されているものの、普通教室への設置はわずかに留まっていた。

 18年5月1日時点での小・中学校のクラス数は405教室で、さらに市ではこれに幼稚園を含め、将来的に必要となる設置数を約500カ所と推計している。

 同市教委では、気象庁に災害級と評された昨夏の猛暑を受け、快適で安心・安全な学習環境づくりに空調設備は重要だとし、あらためて普通教室への設置を最優先に設定。外壁や屋上、トイレの改修がある程度進んだことで舵を切った。また、残る視聴覚室や理科室といった空調未設置の特別教室や、屋内運動場などについては、普通教室への設置を進めた上で、追って検討していくとした。

 事業手法について市は「直接施工方式」「リース方式」「PFI方式」の3種類を比較検討。それぞれのメリット・デメリットとして、直接施工方式の場合は、国の補助金が活用できる一方で設計・施工に時間がかかり、単年度に多額の費用が必要となる点を挙げた。

 リース方式については、設計・施工・メンテナンスを一括で発注できる上、年度ごとの負担を平準化できることにメリットがあるとする一方、PFI方式は国の補助金が期待できる一方で、事業者決定までのプロセスが複雑で長期にわたるため、早期の設置が困難だとした。

 市立学校への空調設備設置については、同市の近隣自治体でも設置に向けた手続きが進められており、例えば千葉市は、56校の普通教室への空調設備設置業務を、33年3月までのリース方式(開札は今月末を予定)で進めるとともに、62校では直接施工方式での整備を図る。

 八千代市ではBTO方式による小中学校の教室などへの空調設備の設置を予定しており、これまでに実施方針と要求水準書案を公表。来月上旬にも公告される見通しだ。

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