余裕期間制度を試行 入札制度改正 低入で再入札も(千葉市)

[2019/4/5 千葉版]
 千葉市財政局契約課は1日付で、2019年度以降に同市が発注する建設工事の入札・契約制度を改正した。主なものについてみると、工事に着手するまで、現場代理人や監理技術者などをその工事に配置することを求めないという「余裕期間制度」を試行するほか、コンサルタント業務の配置技術者について、委託料で設定するなどしていた兼任に当たっての制限を撤廃するなどした。

 余裕期間制度については、現場代理人と監理技術者などに建築工事と、電気や管工事などその付帯工事を対象に「工事着手日まで現場代理人と監理技術者等は工事の『兼任』が可能」としていたものを、同制度の試行導入に伴い、余裕期間を設定する案件については、建築に限らず建設工事の全般について「工事に配置することを要しない」に改める一方で、対象範囲を3カ月以内に設定。これに伴い契約工期と実工期をそれぞれ設定するとともに、契約書類などの取り扱いをあらためて設定した。

 また、地質調査や土木関係建設コンサルタント、測量業務に当たる配置技術者(主任技術者)についても、これまでに委託料が500万円以上(建築関係建設コンサルタントを除く)の業務委託で、主任技術者として兼任できる件数を5件までと定めていたが、この設定を削除。金額や件数による配置制限を廃止することとした。

 これら以外でも市は、低入札価格調査の対象となった入札については、再入札を行わないとする方針を定めていたが、これを改め、調査した結果、その対象者を落札者としない場合、かつ予定価格の範囲内の価格での入札がない場合は、再度の入札を実施するとした。調査に当たり、価格失格基準を下回る入札のみだった場合も、再入札とする。

 このほか、昨年に新たな業種として「解体工事業」が加わったことに伴い、市の特定建設工事共同企業体(JV)についての要綱も改正。解体工事のJV発注基準額を、電気工事や管工事と同等の設計金額1億円に設定するとともに、技術的難易度の高い工事については、基準額を同10億円に定める。

 また、発注平準化に伴う「くじ引き落札制限」についても、これまで試行していた取扱要綱を、一定の効果があったことが確認できたため、本格実施に踏み切る。市内事業者の受注機会を確保するため、16年度から施行していたが、同一開札日の同一業種で、同一事業者がくじ引きの対象となる案件で、市内業者1社が落札できる件数を原則1件とする。

 市では併せて、国土交通省が先月までに発表した、最低制限価格および低入札調査価格の基準についても、その適用に向けて庁内で検討を進めているという。

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