プロポで山下設計 新庁舎基本計画の策定支援(松戸市)

[2019/5/24 千葉版]
 松戸市財産活用課は23日、市新庁舎の整備に向けた基本計画の策定を支援する業務を委託するための公募型プロポーザルで、山下設計(東京都中央区)を優先交渉事業者に選定した。業務の履行期間は2020年12月末まで、委託上限額には7,040万円(19年度4,620万円、20年度2,420万円、いずれも税込み)を設定。2カ年で今後の設計に必要な条件などを整理する。

移転が図られる現市庁舎。正面が新館、左が本館

移転が図られる現市庁舎。正面が新館、左が本館

 市はプロポーザルに伴う審査委員会(プレゼンテーション)を17日に開催。今後協議を経て契約する見通しだ。

 基本計画の策定は、新庁舎の整備に向け、現状と課題および整備の必要性・考え方、求められる機能など、設計の前提となる規模や機能、建設計画に関する基本的な考え方を整理した上で、具体的な課題や条件の整理、事業全体の方針を、議会や市民の意見を聞きながら調査・検討、市民の安全・安心の確保と、市民が利用しやすい新庁舎整備を進めるのが目的。

 業務ではまず、既存庁舎の現状と新庁舎建設の必要性や、これまでの検討経緯を確認。新庁舎の基本理念と基本方針を整理し、将来的な人口予測や職員数を踏まえた上で、市民の利便性や防災拠点、行政機能、議会など庁舎に持たせるべき機能を検討する。

 加えて、立地特性や周辺への影響を考慮しながら、建設候補地を整理。地区計画や高度利用地区などの都市計画、敷地利用計画などの考え方を整理しながら、事業手法の評価・比較も実施。手法ごとに事業費の算出やスケジュールをまとめる。このほか、建設検討委員会の開催支援や市民によるワークショップの支援なども請け負う。

 老朽化が進むとともに、耐震性不足が指摘されているのに加え、本館・新館・別館・議会棟などと敷地内で建物が分散している状況の解消に向けて計画されている新市庁舎の整備では、新たな市の顔として、松戸駅東側の相模台地区にある旧公務員住宅や松戸中央公園のあるエリアで計画される「新拠点ゾーン」への移転改築が想定されており、図書館や市民会館といった文化施設などとともに検討する。

 基本計画に先立つ基本構想では、松戸駅東口の相模台地区を「新たな松戸の顔となる便利で魅力あふれる拠点」として「新拠点ゾーン」に位置付け。官舎跡地や松戸中央公園などの一体開発による多機能拠点づくりや、市民活動をサポートする新しいタイプの複合施設の整備が盛り込まれている。

 松戸駅周辺地域の活性化事業についてはこれまでに、市と都市再生機構(UR)で、個別整備計画の策定について[1]松戸駅周辺におけるまちづくりの推進に関する基本協定[2]松戸駅周辺地区におけるまちづくりの推進に係る業務の実施に関する協定──が結ばれるなどしている。

必要面積算定はイトーキ

 市は基本計画の策定支援業務に並行し、新庁舎の必要面積を算定するための業務を委託するプロポーザルでイトーキ(千葉支店・千葉市中央区)を併せて優先交渉事業者に選定した。履行期限を20年3月末、委託の上限額に2,199万3,000円(税込み)をそれぞれ設定していた。

 この業務は、新庁舎に配置予定の約2,000人の職員を対象に、現況の執務室を調査。結果から得られた課題の整理や改善策を提示するとともに、必要面積を算定した上で、新しい環境づくりに向けた基本方針の立案や、基本計画策定支援者との意見の擦り合わせも図る。

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