気仙沼に鶏肉処理工場 事業費100億円/来年12月完成が目標(オヤマ)

[2019/10/12 宮城版]
 鶏肉の生産から処理、加工、販売までを手掛けるオヤマ(岩手県一関市、小山征男代表取締役社長)は、気仙沼市名木沢地区に鶏肉処理工場を建設する計画だ。事業費は約100億円を試算。林地開発や農地転用などの許可手続きと、建設用地の取得が順調に進めば、来年4月以降に土地の造成工事から始め、建築着工して同12月の工場完成、2021年4月の操業開始を目指す。
 新工場は、S造平屋一部2階建て延べ約1万3000平方mの規模を計画しており、岩手県境の名木沢地区に7haの土地を確保して建設する。この敷地には林地や緑地、農地が含まれている。工事では林地の一部を切り盛りしながら、農地を盛土造成して建築することになる。
 施工業者の選定に当たっては、3社程度から見積もり徴収することを想定している。工事を効率的かつ迅速に進めるため、造成が終わる前に、建築の一部にも工事着手できるような工程を望んでいる。
 新工場には、現在の本社工場で行っている鶏肉処理の機能を移す。生きた鳥を持ち込んで解体処理し、生肉にして主に東京方面へ出荷する。1日当たりの処理能力は、現在の4万羽から、最大(繁忙期)で6万羽を可能とする。
 同社のホームページを見ると、食肉加工の処理・解体工程では、内臓取り、中抜き形選別機、大ばらし機、ムネ肉ライン、ムネ肉検品などによる作業を行っている。
 事業費のうち、79億円は経済産業省の「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金」の対象になる予定で、建物の建設費や設備の導入費に充てる。同補助金の9次公募で、同社は事業採択されている。補助要件として、地元から70人を雇用することなどが求められる。
 補助対象にならない残り21億円は、銀行からの借り入れなどで賄い、土地の購入費や造成費などに充てる見通し。
 オヤマは1969年7月設立の株式会社で、「いわいどり」「奥の都どり」「地養鳥」などの鶏肉と、その加工品を「安全、安心、健康」をキーワードに生産、処理、加工、流通、販売の一貫システムで供給している。
 気仙沼市内には、はしかみ食品工場や、チキン工房気仙沼などを置いている。本社工場にある唐揚げ加工などの機能は、新工場が完成した後も残すことになる。

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