法崩れ4カ所復旧完了 宮建協会員が力を発揮 鳴瀬川左岸は災害査定へ (北上川下流)

[2019/11/2 宮城版]
 国土交通省北上川下流河川事務所は、台風19号によって堤防法面が崩れた国管理河川4カ所の緊急復旧工事を10月31日までに全て完了させた。いずれも東北地方整備局との災害協定に基づいて、県建設業協会の会員企業が24時間体制で対応に当たり、工事で力を発揮した結果、早期復旧が実現できた。
 堤防の法崩れが起きたのは、鳴瀬川左岸の河口から8.4km付近と、鳴瀬川右岸の38.4km付近、同38.1km付近、吉田川左岸の14.8km付近。鳴瀬川左岸が東松島市内で、残り3カ所は大崎市内に位置している。大崎市内の3カ所は、今回の緊急工事で本復旧まで進めた。
 鳴瀬川左岸は、東松島市西福田白山地区の延長約279m区間で2カ所が崩れ、只野組(登米市)が対応に当たった。台風が通過し、同川の水位が下がってから被害を確認したため、4カ所の中では最も遅い10月18日に工事着手し、31日に完了した。
 同社による緊急復旧工事では、大型土のうの積み上げと、袋詰めの玉石設置までを行った。今後に国交省本省が災害査定し、本復旧に必要な予算が確保できた後、改めて工事を発注する。本復旧では築堤やブロックの張り付けなどを行う見通し。
 鳴瀬川右岸は、大崎市三本木廻山地区の延長約32m区間と、三本木蟻ケ袋地区の延長40m区間を対象に、橋本店(仙台市青葉区)が応急復旧を実施。2カ所とも10月14日に工事着手し、同24日に完了した。
 吉田川左岸は、大崎市鹿島台大迫川北地区で延長約40m区間が崩れ、菅甚建設(大崎市)が応急復旧を担当した。10月14日に工事着手し、同28日に完了した。
 北上川下流河川事務所の土田昭夫工務第一課長は「資材の確保が難しい中、県建設業協会の尽力により無事故で早期復旧できた」と宮建協会員の素早い対応に感謝。工事期間中にも大雨が降り、中断を余儀なくされる場面もあったが、予想より早く緊急復旧が完了できたという。

鳴瀬川左岸の被災状況(左)と復旧状況(右)

鳴瀬川左岸の被災状況(左)と復旧状況(右)

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