58万立方m調節池の整備など 海老川水系の整備計画(県河川整備課)

[2019/11/15 千葉版]
 県土整備部河川整備課は14日までに、二級河川海老川水系河川整備計画をまとめた。おおむね30年を計画期間とし、海老川本流については河口から八栄橋までの、県が管理する2670m区間で河道の拡幅など改修により流下量の増大を図るほか、合計で58万立方m余の調節池の容量新設などをはかるとした。ソフト面でも地域住民との連携や関わりなどを求めるとともに「社会経済被害の最小化」と「逃げ遅れゼロ」などを目指す。

 原案によると浸水対策は、県が管理する海老川2・67kmと同水系の長津川2・99km、飯山満川2・78km全川のうち、特に海老川と飯山満川で1時間に約50mmの降雨に対応した整備を実施し、洪水や津波、高潮などによる災害発生の防止または軽減を図る。

 河川工事では大きく[1]海老川河道改修(河口~八栄橋)[2]海老川調節池整備(容量の新設)[3]飯山満川河道改修[4]飯山満川2号調節池整備容量の新設)[5]飯山満川上池調節池整備容量の新設)[6]海老川排水機場・長寿命化──の6つを進める

 海老川下流部に当たる住宅密集地の河口~富士見橋(船橋卸売市場付近)区間の改修は概成しているため、今後は河床掘削や地盤改良を実施。富士見橋から上流の八栄橋区間は、河道拡幅や築堤、河床掘削、護岸、橋梁改築に加え、船橋市東町地先の約22haに、治水容量55万立方mの海老川調節池の整備を予定する。

 富士見橋から上流は、船橋市の市街化調整区域のため、環境の保全や親水性の確保に努めるとともに桜並木を保全、同市が進める海老川上流のまちづくりと一体化して整備。調節池は地域住民の憩いの場となることを目指すとした。築堤や掘削、護岸、越流堤などの整備を計画する。

 一方の飯山満川では、飯山満川2号調節池周辺の河道改修に一部着手。今後は同池の整備と、海老川との合流点から上流区間の指定区間の河道拡幅や築堤、河床掘削、護岸、橋梁改築を進める。上流に位置する東葉高速鉄道飯山満駅周辺では、用地制約が厳しいことから、直立護岸での整備を図る。飯山満川2号調節池は約0・3ha(約2,800立方m)、飯山満川上流調節池は約0・9ha(約2万8,000立方m)でそれぞれ計画する。

 これらのほか、1988年に設置され、30年余が経過した最下流部の海老川排水機場は、長寿命化計画に基づき、計画的な点検と整備、更新により施設の長寿命化を図っていく。

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