島式と相対式停留場を整備 芳賀・宇都宮LRT検討委 3カ所で壁面個性化

[2019/12/24 栃木版]
 第24回芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会(委員長・森本章倫早稲田大学教授)が23日に宇都宮市役所で開かれ、停留場の整備やLRTのまちづくりなどを報告。停留場は、19カ所で 島式と相対式停留場の2種を整備するとしており、壁面の個性化を行う停留場を3カ所選定。LRT導入を契機とした沿線のまちづくりを進めるため、LRTまちづくり部会を設置し、検討を進めるとしている。

 LRT事業において、停留場は19カ所を整備するとしている。宇都宮市は、JR宇都宮駅東口・宿郷・東宿郷・今泉町・陽東・ベルモール前・平出町・下平出・下竹下・作新学院北・清原管理センター前・清原工業団地北・テクノポリス西・テクノポリス中央・テクノポリス東の15カ所。芳賀町は、芳賀台・管理センター前・かしの森公園・本田技研北門の4カ所(19カ所とも名称は仮称)。停留場は、経済性や維持管理を考慮して統一した施設とし、島式停留場や相対式停留場の2種を整備する。

 島式停留場は、ルートの起終点や交差点部を右左折する場所に配置し、ホームの両側に乗り場を設ける。JR宇都宮駅東口・平出町・清原管理センター・清原工業団地北(宇都宮市)、かしの森公園・本田技研北門(芳賀町)に設置するとした。ホーム幅員3.5m、ホーム有効長30m、ホーム高さ0.3mとする。

 相対式停留場は、道路の中央(軌道沿い)に千鳥配置するとし、停留場の片側(軌道に面する方向)が乗り場となる。前述の島式停留場6カ所以外の9カ所に、相対式停留場を整備する。ホーム幅員2.2m(ベルモール前停留場は3.28m)、ホーム有効長30m、ホーム高さ0.3mとする。

 停留場の整備にあたっては、▽利用者の安全性・バリアフリー性(安全柵や手すりの設置、車いす利用者に配慮したスロープ設置、壁面パネルは一定の透過性を確保)▽快適な待合機能(屋根や防風ガラス面パネルの設置、腰掛ベンチの設置)▽上屋は無彩色(ダークグレー)で、華美な装飾をしないS造▽大谷石を腰掛ベンチに活用▽天井面に地場産木材のルーバーを配置-とする。

 案内サインは、屋根部と上屋内のガラス面に整備。上屋内には、個性化スペースや広告物等のその他スペースも設ける。このほか、番線・方面表示板も整備するとしている。個性化スペースについては、それぞれの停留場の整備に合わせて、市や町でデザインを整備。沿線企業等から協賛金を募集し、グラフィックシートの掲示・修繕・更新等に要する費用に充当。グラフィックシートの更新は、一般的な耐用年数(おおむね5年間)に合わせて、適宜検討する。

 個性化を実施する停留場については、「まちの顔を創出する停留場」として、宇都宮市のJR宇都宮駅東口(まちの玄関口)と清原管理センター前(産業拠点)、芳賀町の管理センター前(まちの玄関口、産業拠点)を選定。「マイレール意識を醸成する停留場」も選定するとしており、LRT沿線の地区ごとに1カ所以上選定するという(宇都宮市は5地区ごとに1カ所以上、芳賀町は町内で1カ所以上)。マイレール意識を醸成する停留場は、沿線地区の代表者との協議やワークショップ等の手法を通じて選定するとしている。

 個性化の取組みを進めるにあたっては、県デザイン協会の協力を得ながら、LRTデザイン部会の事務局で検討。デザイン方針を整理し、まちの顔を創出する停留場にふさわしいモチーフを選定し、公募等も視野入れてモチーフからデザイン表現を検討して、個性化スペースのデザイン案を制作。個性化を実施する停留場の選定なども進めていく。

 LRT事業では、各種整備や検討と合わせて、LRT導入を契機とした沿線のまちづくりを進めるとしている。芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会では、学識経験者・まちづくり団体・行政等で構成するLRTまちづくり部会を新たに設置し、まちづくりについて検討・具体化するという。

 検討内容については、▽LRT沿線のまちづくり方針(駅西側区間における、LRTと一体となったまちづくりの将来像、LRT沿線におけるエリア別のまちづくりの方針、必要となる機能)▽LRT導入に伴うまちづくり施策・事業(駅西側区間における、LRTや交通結節点等の基盤整備と一体となったまちづくり施策・事業(市街地整備手法や都市計画制度の活用など))▽その他、LRT沿線のまちづくりに必要な事項(駅東側区間・駅西側区間共通の施策で、駐車場施策、公共交通利用促進策、低炭素化やスマートシティ施策との連携など)-など。

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