JFEエンジニアリングを選定 高瀬下水処理場の消化ガス発電(船橋市)

 船橋市下水道施設課は7日、高瀬下水処理場(高瀬町56)の下水汚泥から発生する消化ガスを使った発電を事業化するためのプロポーザルで、JFEエンジニアリング(東京都千代田区)を優先交渉権者に決めた。審査には5者が参加したという。今月にも基本協定、来月には契約も結ぶ考えで、2021年度までの建設と、22年度以降の運営を計画している。提案では特別目的会社(SPC)は設けないとし、そのまま同社と契約する見通しだ。

 同事業は汚泥消化施設を新たに建設し、処理場から発生する消化ガスの有効利用を図るもので、デザインビルド(DB)方式での整備と、民設民営方式による運営・維持管理を計画。運営・維持管理の期間は42年3月までの20年間とした。

 事業に当たっては市営の下水処理場に汚泥消化施設を建設し、発生する消化ガスを利活用することで、処理コストの低減や温室効果ガス排出量の削減を図り、下水道経営の安定化と、地球温暖化対策に寄与するのが目的。民間企業の持つ技術や資金を活用し、施設の整備と運営を効率的かつ効果的に実施する。

 事業期間についてはまた、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用するため、国の事業計画認定を21年3月までに受ける一方、事業者の提案で設計・建設期間を短縮することが可能だとした。

 事業は大きく2つに分け、下水汚泥の持つエネルギーを有効利用するため、消化ガスを発生させるとともに、汚泥を安定的に処理するため、汚泥消化施設を設計・建設する「汚泥処理施設整備事業」と、下水処理場で発生する消化ガスを事業者に売却し、FITを活用した発電施設の事業計画認定の取得や設計・建設、運営・維持管理を実施する、民設民営による「消化ガス利活用事業」で構成する。

 汚泥消化施設は建設後、所有権を市に移した上で、そのまま運営・管理。市は汚泥消化施設の設計・建設に伴う全体の限度額として、37億5,000万円(税込み)を設定していた。

 高瀬下水処理場の敷地面積は約21万1,650平方mで、このうち今回の事業用地として市が想定しているのは約4,700平方m。1999年に供用を開始した同処理場の処理方式は、嫌気無酸素好気法(凝集剤併用)で、市は消化ガスの提供可能量として年間206万9,000N立方mを想定している。

 市では下水処理場で発生する消化ガスを使った発電の事業化に早くから着手しており、先行して西浦下水処理場(西浦1-4-1)では、16年度に事業者として西原環境(東京都港区)を選定し、発生する消化ガスの全量を売却した上で、FITにより発電施設の設備認定の取得や設計・建設、運営・維持管理を委託している。

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