水源復旧でポンプ移設 本吉町の新南明戸地区(気仙沼市水道)

[2020/1/10 宮城版]
 気仙沼市ガス水道部は、本吉町で新南明戸水源と新圃の沢(はたのさわ)水源の2カ所を災害復旧することにしており、このうち新南明戸水源はポンプ設備と上屋を別の場所に移す方向で調整している。市は本年度予算で、両水源の災害復旧工事費に11億4542万円を計上しており、厚生労働省にから災害査定の保留解除が認められ次第、復旧工事を発注し、2020年度の完成を目指す。
 両水源は水道水を供給するための井戸で、2カ所とも深さが4m程度。大震災で津波被害を受けたため、仮復旧して継続利用している。井戸の汲み上げ可能水量は、日量で新南明戸が1194立方m、新圃の沢が5294立方m。
 新南明戸水源は、防潮堤などが整備されたとしても、津波で4mの浸水想定エリアに位置しているため、災害復旧工事で井戸の蓋を防水化するとともに、ポンプ施設や受水槽を近くの高い場所に再整備する。
 新しいポンプは口径150mmが2台となる。ポンプを収める上屋はS造一部RC造で、電気室を含めた延べ床面積が60平方m程度になる見込み。
 災害査定の保留解除に向けては、9月末に申請済みで、結果がまもなく判明する見通し。ただし、ポンプ施設の移設まで認められるかどうかは定かではない。
 新圃の沢水源は、5mの浸水想定エリアに位置し、近くに高い場所もないため、井戸の蓋とともに、現位置でポンプ施設の防水化を図るしかないと考えている。ポンプは2台が備わっている。
 今後は、12月までに災害復旧の実施設計をまとめ、年度内に災害査定の保留解除を申請する。
 災害復旧の実施設計業務は、2カ所とも新日本設計(仙台事務所・仙台市青葉区)に委託している。

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