災害査定額が7億円 道路23カ所と河川6カ所(石巻市)

[2020/1/28 宮城版]
 石巻市は、台風19号で被害を受けた公共土木施設のうち、道路・橋梁23カ所と河川6カ所の災害査定を受け、合せて約7億円の事業費が認められた。内訳は、橋梁1橋を含む道路が約6億3000万円、河川が約7000万円。復旧工事は複数箇所を何本かにまとめ、来月辺りから順次、一般競争入札と指名競争入札で発注する。
 道路の主な被害は、下側の法面が崩れることに伴って路肩まで崩落するといった事象が多くなっている。特に半島部や金華山など海沿いの道路で被害が多い。復旧方法は法枠工事やブロック積みが目立つ。
 小竹浜地区の小竹浜蛤線は、谷の上を通っていた区間が流出したため、延長81・7mを復旧する。工法は、安定勾配で1万2000立方mほど盛土し、舗装をかけて道路を元に戻す。
 復旧箇所の道路下を横断している暗渠(ボックスカルバート)は、土砂や流木で詰まってしまったため、これを取り除き、破損しているようならば設計変更で修復する。
 同じ小竹浜地区の祝田小竹浜線は、海岸沿いの延長13m区間で道路下の法面が崩れ、道路幅の一部が削られてしまった。復旧に当たっては、大型ブロック積みで道路下の護岸を構築し、削られた道路を元に戻す。被災後は、遠藤興業(石巻市)の施工で山側に仮設道路を設けた。
 橋梁は、北上地区で被害を受けた女川18号線の雷神橋が査定対象。延長約8m、幅員約4mの橋で、県が管理する大沢川に架かっている。左岸側の橋台が洗掘によってずれてしまったため、一度上部工を取り外し、橋台を造り直した上で、既存の上部工を再設置する。
 市は昨年の12月補正予算で、道路橋梁の災害復旧工事費として27カ所に8億5400万円、河川の災害復旧工事費として13カ所に6400万円を計上している。この中には、災害査定を受けて補助事業で復旧する分と、市の単独費で復旧する分が含まれている。

林道は22路線を査定中

 同市は、台風19号で被害を受けた農林施設のうち、林道22路線と土地改良施設1カ所で災害査定を受ける。林道は今週中に査定が終わる予定。土地改良施設は北上地区の上田排水機場が査定を終えており、水に浸かった操作盤の復旧費に2682万円が認められた。
 林道は、横断管に土砂が溜まって閉塞し、そこから水があふれて路面を洗掘するといった被害が多くなっている。河北地区の成沢線は、延長約3km区間で複数箇所に路面や路肩の被害が起きており、復旧費が約5000万円に上る見込み。このほか、上品線の舗装が傷むなどしている。
 市は、林道の災害査定に向け、日野測量設計(石巻市)、大江設計(仙台市青葉区)、明治コンサルタント(仙台支店・仙台市泉区)の3社に測量設計業務を委託した。
 昨年の12月補正予算では、市単独分と補助事業分を含め、林道59カ所の工事費に4億3200万円、土地改良施設の工事費に1億6500万円を計上。土地改良施設は単独事業で用水路や農道、ため池などを復旧する。

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