七北田川上流14km改修 整備計画の素案示す 9橋架け替えを検討(宮城県土木部)

[2020/2/5 宮城版]
 2020年度2回目の七北田川水系河川整備学識者懇談会(座長・田中仁東北大学大学院工学研究科教授)が2月4日、仙台市内で開かれた。現行の河川整備計画に含まれていない七北田川上流部の河川改修について、宮城県土木部は計画見直しの素案を示した。従来通り2015年9月に起きた関東・東北豪雨の降雨量などを踏まえ、上流部の14km区間を対象に築堤や河道掘削を実施する考え。素案には橋梁9橋の架け替えなどを盛り込んだ。
 現行の七北田川河川整備計画は、河口から七北田公園(仙台市泉区)付近までの区間について整備方針などを定め、これまで築堤や河道掘削などが行われてきた。しかし、近年は同計画で整備方針が定められていない上流部で浸水被害が起きていることから、同懇談会では上流部の河川整備計画を定めようと19年6月から会合を重ねている。
 素案によると、河川整備の対象区間は、七北田公園付近に架かる赤生津(あこうづ)大橋から国道457号に架かる冠橋までの約14km。この区間で堤防の整備や河道掘削などを実施し、流下能力を向上させる。特に赤生津大橋から実沢大橋までの区間では越水による浸水被害が頻発しているため、優先して改修を進める。
 堤防の築堤などに伴い、架け替えが必要になる橋もある。素案では▽長命橋▽無串橋▽長淵橋▽諏訪橋▽広瀬橋▽鼻毛橋▽年川橋▽根白石小学校付近の橋(無名)▽馬橋──の9橋を架け替える方針を示した。すでに馬橋については、所管する仙台市が架け替え方針を示している。橋脚に流木などが引っかかるため、橋脚を取り払って単径間の橋にする考え。
 また、根白石地区に設置されている新堰については、下流部に土砂が堆積し、中州のようになっている。これらを撤去し、流下能力を向上させる。堰については新堰を含め、明神堰、今宮堰の改築も実施する方針だ。
 上流部の河川整備計画はおおむね、10~30年間を想定して策定する。
 七北田川上流部の改修について、宮城県仙台土木事務所は測量設計業務5件の一般競争入札を公告中。改修方針を検討するための平面図を起こすべく、ドローンなどを使った写真測量や、取得したデータの数値図化などを委託する。入札参加申請書を2月7日まで受け付けている。
 宮城県は今月から3月にかけて素案を公表し、パブリックコメントや公聴会を実施して県民から意見を聴取する。それを踏まえ、5月中旬に開催予定の同懇談会で、最終案を示す方針。9月末までに改正した河川整備計画を策定・告示する。
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