畜産基盤4地区で8.6億円 牛舎5棟、草地14ha整備 那須高原牧場は測量設計 県農業振興公社20年度予算

[2020/4/2 栃木版]
 県農業振興公社は2020年度の事業計画と予算を公表し、繰越を含め畜産・農用地等基盤整備事業4地区に8億6181万円を計上した。牛舎5棟、堆肥舎と乾燥・発酵ハウス各2棟、草地造成・整備14.31ha、施設用造成2.86haを計画。地区別内訳は、▽栃木塩那(矢板市、那須烏山市、高根沢町)3億8681万円▽大田原・那須(大田原市、那須町)1億3000万円▽那須塩原(那須塩原市)3億3500万円-。新規の那須高原牧場は、大田原市の大野牧場と那須町共同利用模範牧場の2カ所の公営牧場を対象に、牛舎や草地造成などの基盤整備実施に向け、測量設計費1000万円を配分した。

 6年目の栃木塩那地区は21年度の完了が見込まれている。総事業費には13億9100万円を試算した。さくら市・矢板市・高根沢町・那須烏山市・那珂川町の5市町が対象。

 19年度繰越予算は2億1681万円で、矢板と那須烏山の農業者の施設等を発注。矢板は牛舎設備、那須烏山では乾燥・発酵ハウス、堆肥舎、撹拌機を5月にも発注する見通し。

 20年度予算は、矢板、那須烏山、高根沢の農業者を対象に草地造成・整備1.76ha、牛舎などの施設用造成0.5haと牛舎1棟の整備に1億7000万円を試算した。

 大田原・那須地区に1億3000万円。牛舎の整備が1棟、草地造成・整備4.55ha、施設用地造成0.25haを予算化した。牛舎の整備は那須町が対象で、施設用地の造成と畜舎設備を整備する。草地等造成は、大田原が2.25ha、那須では2.3haを計画した。

 全体計画のうち基本施設整備は、▽草地造成改良15.49ha▽草地整備改良20.32ha▽施設用地造成整備2.32ha-。農業用施設整備では、▽水質汚染防止施設(パーラー排水一式)▽家畜保護施設(牛舎)9棟延べ6200平方m▽家畜排せつ物処理施設(堆肥舎)5棟延べ1660平方m▽飼料調整貯蔵施設(バンガーサイロ)2基延べ620平方m▽隔障物(牧柵)L1700m-を計画している。

 経営体数は17戸とし、規模拡大による濃密生産団地型の確立を目指す。事業期間は21年度まで、総事業費には8億1000万円を試算している。

 那須塩原地区は、酪農11戸、肉用牛2戸の計13戸の経営体が対象。21年度までの5年間を事業期間とし、総事業費に21億円を試算している。17年度から造成工事に着手しており、19年度繰越で牛舎2棟、20年度には草地造成8ha、施設用造成2.11ha、牛舎と堆肥舎各1棟を計画した。また、次年度以降の工事に備え牛舎1棟の設計費を配分している。

 全体計画のうち基本施設整備には、▽飼料畑造成31.19ha▽飼料畑整備19.49ha▽施設用地造成5.78ha▽道路L500m-。農業用施設整備では、▽家畜保護施設(牛舎など)12棟▽家畜排せつ物処理施設(堆肥舎など)9棟▽浄化処理施設4カ所▽飼料調整貯蔵施設(サイロ)1基-などとした。

 那須高原牧場地区は、6月の採択を視野に調査設計を進めていく見通し。大野牧場が草地改良や育成牛の水飲み場の確保、牧柵の整備等を計画。那須町共同利用模範牧場では、草地改良やイノシシなど野生獣害侵入防止柵、家畜保護施設や排泄物処理施設の整備などを検討している。

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