年度内に本館から改修 出荷調製施設の設計も(県農業大学校)

[2020/5/15 千葉版]

大規模改修に着手する農業大学校本館

大規模改修に着手する農業大学校本館

 県は、東金市家之子にある農業大学校について、年度内にも本館から大規模改修工事に着工する予定でいる。これまでに工事については建築本体・電気設備・機械設備の3分離で、このうち建築本体工事については今秋から年内、残る設備工事2件は年明けにも一般競争入札で発注し、2021年度をメーンの工期として、22年度中の完了を目指す。県ではこれを初弾に、老朽化の進む校内施設の改築などを含む再整備を複数年で進めていく計画だ。

 同校の本館は、RC造4階建て延べ5,305平方mの構造・規模で、1979年の完成。築後40年余が経過しているが、2011年度に市原建築構造設計事務所(千葉市中央区)の設計、13年度には耐震改修工事が古谷建設(横芝光町)の施工で完了している。

 今回の本館の大規模改修については、19年度にCMS(千葉市若葉区)に委託しており、本館の工事は20~22年度の3カ年にまたがって進める予定。県は20年度当初予算で、15億8,100万円の債務負担行為を設定した。

 20年度はこれに並行し、出荷調製施設の新設に伴う実施設計や測量の委託も計画している。

 生徒らが収穫した農作物を、出荷が可能なように調製(葉切りや洗浄)するための施設で、現在は農場本館でコメ、園芸農場教室で野菜の調製を行っているが、施設の老朽化などもありこれらの機能を統合するもの。既存施設を解体した跡地に設ける考えで、規模は既存施設の占用面積から、延べ約500平方mを想定しているが、詳細は設計の中で詰める考えだ。当初予算ではこれらの経費に1,936万円を計上した。

 本県での農業の担い手育成の中核的機関となっている農業大学校については、17年度に県がまとめた「県有建物長寿命化計画」では、第1期となる18~22年度に、同大学内の施設のうち本館と農場本館、学生会館について大規模改修に向けた事業に着手する方針が示されていたが、このうち学生会館については、着手時期などを未定としている。また、同計画第2期(23~27年度)には体育館や食堂の大規模改修にも着手するスケジュールとなっているが、こちらも同様にスケジュールはこれまでに未定となっている。

 農林水産業関連で県有建物長寿命化計画に盛り込まれたものとして県は20年度、これらのほか、老朽化が進んでいる東部家畜保健衛生所(東金市)と北部家畜保健衛生所(旭市)、中央家畜保健衛生所佐倉支所(佐倉市)について、香取・海匝地域の防疫活動体制の強化を図るため、匝瑳市今泉地内への家畜保健衛生所新設に向けた基本設計を予定している。

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