河内農振 6月に計画樹立業務発注 1.1億円で赤川ダム改善

[2020/5/22 栃木版]

 県は、農業用ため池赤川ダム(宇都宮市)の長寿命化対策工事の概要を固め、6月にも事業化に向けた計画樹立業務を発注する。県河内農業振興事務所によると、2021年度の採択を予定し調査設計、22年度から2カ年で工事を実施する計画とした。事業費には1億1300万円を試算している。

 工事は土木構造物の余水吐(一般部)を補修、余水吐(橋梁部)は増厚工法で補強するほか、取水塔の操作室は補修し防水対策を実施。機械設備のうち取水塔本体とフロート設備本体は再塗装による補修、防塵スクリーンとガイドローラは更新する予定。開閉装置の油圧ユニット・配管、ウィンチ、バタフライ弁は更新する計画とした。

 赤川ダムは、築造から約50年が経過したアースダムで、防災重点ため池に指定されている。堤高が17.5m、堤長221m、堤体積が11万4651立方m。ダム湖の貯水量は32万7000立方mで、余裕高が1.12m、天端幅は6.5m。一級河川赤川の上流部に築造された農業用水利ダム。取水量は毎秒0.32立方mで、法面保護工は上流が表面遮水アスファルト、下流は土羽構造となっている。

 経年劣化に伴い、余水吐をはじめとする堤体は、ひび割れ・摩耗などの変状が認められるほか、取水塔操作室は漏水が生じているとした。取水塔とフロート設備は、塗膜の劣化が認められ、防塵スクリーンは破損し、ガイドローラも逸脱しているとした。

 県は施設の健全性や対策工事の必要性を把握するため、14年度に耐震調査、16年度には機能診断を行い、19年度に防災減災計画を策定。堤体の耐震性は保たれているものの、余水吐や操作室の建屋、取水塔などの設備が劣化しており、農村地域防災減災事業を適用し対策を実施するとしている。耐震調査と機能診断は中央開発(東京都新宿区)、防災減災計画の策定はNTCコンサルタンツ(名古屋市中区)が担当した。

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