庁舎跡地活用へ調査 官民連携でまちなか再生(9月補正予算案 気仙沼市)

[2020/8/29 宮城版]
 気仙沼市は28日、一般会計9月補正予算案を発表した。25億5207万円の追加で、総額を899億8689万円とする。東日本大震災復興交付金事業基金等の積立金が21億7308万円と大半を占めており、それ以外では官民連携まちなか再生推進事業として、市庁舎移転後の跡地活用に向けた調査業務の委託費に846万9000円を盛り込むなどした。
 市庁舎は、旧市民病院(田中184)の跡地に移転新築する計画になっており、昨年度に新庁舎建設の基本構想を策定し、本年度は梓設計(東北事務所・仙台市宮城野区)に委託して基本計画の策定を進めている。新庁舎建設のスケジュールは、21~23年度で基本・実施設計をまとめるとともに、22年度で既存病院の解体に着手し、23年度ごろから造成工事を始め、24年度ごろから新築工事を進める予定。26年度までの完成を目指している。
 現在の市庁舎は八日町1丁目に位置しており、敷地面積が約1.1ha。平場の敷地面積は約0.9ha。用途地域は第一種住居地域。建物は本庁舎や第2庁舎、プレハブ庁舎、ワン・テン庁舎などが建っている。大震災津波ではワン・テン庁舎が約1.7m浸水した。
 新庁舎の建設候補地にも挙がっていたが、移転新築することになったため、跡地の問題が浮上。新庁舎の基本構想を定める際に開いた有識者会議からは、旧市立病院跡地を建設場所に選定する条件として「今後、現在の市役所の跡地や周辺の活用について、内湾との関係性、市全体との関係を踏まえた計画をつくり、しっかり対応すること」と提言されていた。
 このため、市は現庁舎跡地の有効活用に向けた検討を本格化する。官民連携まちなか再生推進事業では、現庁舎跡地とその周辺地区について、内湾地区との関係を踏まえた市街地再生の推進や、新たな賑わい創出を図ることにしている。
 9月補正予算案に委託費を盛り込んだ調査業務では▽土地建物活用等の意向調査・分析▽先進事例の視察▽新たな計画を検討・策定するための母体となるエリアプラットフォームの形成支援──などに取り組む。
 9月補正予算案にはこのほか、松崎片浜地区被災市街地復興土地区画整理事業の換地設計費や道路・公園等整備費に9593万円、大谷海水浴場公衆トイレ・シャワー更衣室災害復旧事業の工事費に7690万円を計上した。同区画整理事業の予算は、昨年度の未執行分を再計上した。

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