東側用地に集約へ 卸売市場の再整備(船橋市)

[2020/9/15 千葉版]
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 船橋市は、2020年度第1回船橋市地方卸売市場運営協議会(会長・藤島廣二東京聖栄大学客員教授)を開き、経営戦略の策定状況について経過報告した。同戦略に含まれる再整備基本計画では、海老川を挟んだ西側用地を廃止し、東側用地への集約を進めるなど規模を縮小、16年に竣工した管理棟以外の施設を建て替える方針を示している。11月末までに素案を作成し、21年1月にパブリックコメントを実施、2月~3月に決定する予定だ。

 同戦略は、安定的に事業を継続していくために、中長期的経営の基本計画となるもので、現状の調査・分析結果をもとに、基本戦略や行動計画、再整備計画などついて検討。策定にあたっては、場内業者で構成される「船橋市地方卸売市場経営戦略検討会」を立ち上げるとともに、青果・水産物など部門ごとに4つのワーキンググループ(WG)を設置。各WGで議論した内容を、経営戦略検討会の場で集約、市場全体の合意形成を進めている。

 7月末の経営戦略検討会では、同市場の「新しい将来像」として、「地元愛と躍進!船橋市場~魅力あふれる広域的な流通拠点を目指します~」、目標として▽生鮮食料品等の安定供給に努める▽安全・安心を提供する▽魅力ある市場を目指す▽市場運営の健全化を進める──の4つを決定した。

 また、環境調査(SWOT分析)により、同市場の「脅威」と「機会」、「強み」と「弱み」を把握。「内部要因」のうち、「強味」には、「都心に近く大商圏に立地」や「船橋駅に近く飲食店が多数」など4項目。「弱み」には、「近隣に大規模市場有り」、「コールドチェーンへの対応」など4項目を挙げている。さらに、各業態へのアンケート調査およびヒアリング調査を実施、再整備に関する事業者の意向把握を進めている。

 再整備に向けたゾーニングイメージ図をみると、海老川を挟んだ西側用地3万7000平方mは廃止し、東側用地7万7000平方mへの集約を進める。現・水産卸売場跡(東側敷地北西部)に「加工・仕分・配送エリア」、現・青果卸売市場跡(東側敷地北東部)に「青果売場棟エリア」、現・青果物配送センター跡に「青果加工・仕分・配送エリア」を配置。

 現・関連事業者店舗棟跡に一部配送・加工機能含む「水産売場棟エリア」、その東側に「新関連店舗棟」と「新冷蔵庫棟」を整備。また、道路を挟んで北側に立体駐車場を新設する。

 耐震性が不足している関連店舗棟と冷蔵庫棟は、優先的に整備する。

 経営戦略検討会では、同ゾーニングイメージ図をもとに、各施設の規模や仕様、整備手法などについて検討を進めることにしている。

 船橋駅の北東部に位置する同市場(船橋市市場1-8-1)は、1969年に業務を開始し、2014年に「中央卸売市場」から「地方卸売市場」に移行。青果部卸売場(1万0083平方m)や水産物部仲卸売場(6008平方m)、水産物部卸売場(4443平方m)、関連事業者店舗棟(3600平方m)、管理棟(1971平方m)などからなり、市民の日常生活に必要な生鮮食料品を供給している。

 経営戦略策定業務は、JFEエンジニアリング(千葉市中央区)が担当。履行期限は21年3月31日まで。

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